ちくま新書
人の気持ちがわかる脳―利己性・利他性の脳科学

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  • サイズ 新書判/ページ数 199p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480064998
  • NDC分類 491.371
  • Cコード C0247

内容説明

人は、他人の気持ちを知りたいと思っている。それはヒトが社会的な動物で、私たちの日常が人と人との相互関係から成り立っているからだ。では人の心がわかりたいという人間の究極的本性は、駆け引きをして相手を出し抜くことなのか、社会全体のために助け合うことなのか。精神科医である著者の臨床例を参照しながら、最新の脳科学や社会神経科学の知見をもとに、人が人とうまくつきあうことの生物学的意味を問う。

目次

第1章 人の気持ちがわかるのは難しい?
第2章 駆け引きする脳
第3章 「駆け引き脳」を超えて
第4章 不公平は許せない
第5章 無償の利他性
第6章 利他性・利己性のバランス
第7章 道徳と脳

著者等紹介

村井俊哉[ムライトシヤ]
1966年大阪府生まれ。京都大学大学院医学研究科修了。医学博士。専門は臨床精神医学一般、行動神経学、高次脳機能障害の臨床。マックスプランク認知神経科学研究所、京都大学医学部附属病院助手などを経て、京都大学大学院医学研究科准教授。京大病院ほかで精神科臨床を行う。また様々なこころの病が、脳の働きのどのような障害から起こるのか、画像研究などをもとに探究している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Humbaba

10
人間というのは意外と合理的な判断を下せないこともある.むしろ,動物のほうが感情よりも自分の利益を優先できる事が多いかもしれない.また,動物であっても他者をいたわる心を充分に持っているという実験結果もある.2013/02/11

ステビア

8
楽しく読ませようという工夫は伝わってくるが中身が拡散しがち&薄い。イラストはかわいい。2014/04/17

スズツキ

5
いくら不都合な取引でも相手のことを考えて受け入れることも脳の働きだという。過激なまでに噛みつかれたら、あぁこの人は生物学的に欠陥があるんだ、と思っていると精神的に楽かも。2017/01/27

shiorist

4
脳科学の進歩がSFの世界に近づいてる。星新一が物語で提示してた倫理観を思い出したりした。2010/08/12

ポカホンタス

4
人間や動物の利己性と利他性を、脳科学の実験結果から解きほぐす。実験のために使用されるゲームがいくつが出てくるがこれが面白かった。元はと言えば、倫理的ジレンマのモデルケースとして、倫理学を深めるために考案されたものが、いつのまにか、人間や猿の実験のツールとして活用される。実験の結果そのものはそれほど驚くようなものではないが、脳科学という方法論が一人歩きし始めると、空恐ろしいものになるのではないかという予感は十分感じさせる。著者の語り口はソフトでわかりやすいが、どこか没個性的で、コンピューター的なのが不気味。2010/04/06

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