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ちくま新書
ことばとは何か―言語学という冒険

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  • サイズ 新書判/ページ数 238p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480061638
  • NDC分類 801
  • Cコード C0280

内容説明

ことばが初めから完璧なものなら、それは変わらないし多様な形をとることもないはずだ。しかし実際には時間とともに姿を変えるし、地上には何千種類ものことばがある。社会規範に取り込まれながらも逸脱してゆく。このとらえどころのない対象に十九世紀言語学は生物学のように接近し、二十世紀構造主義はことばの変化に目をつぶったが実はこの変化にこそ本質があるのではないか。ことばを、自らの意思を持たない自然の性質と同時に、技術といった文化的性質をあわせもつものととらえ、当面する言語問題について考える。

目次

第1章 言語学史から何を学ぶか(言語と言語学史;規範と体系;誤りの中にこそ真実が;近代言語学はことばをどう扱ってきた ほか)
第2章 言語変化の問題―ことばはなぜ変ってはいけないのか(ことばは変ってはいけないか、なぜ変るのか;構造への逃走;「社会的事実」とデュルケム ほか)
第3章 当面する言語問題(言語はコミュニケーションの道具にとどまらない;言語の絶滅にいかに対処すべきか;生物の分類学と言語の分類学 ほか)

著者等紹介

田中克彦[タナカカツヒコ]
1934年兵庫県生まれ。東京外国語大学モンゴル語科、一橋大学大学院社会学研究科、ボン大学哲学部で、言語学、民族学、文献学を学ぶ。現在、中京大学社会学部教授、一橋大学名誉教授。戦闘的かつ啓蒙的言語学者として知られる
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

8
言語史は書きにくいが、言語学史なら書くことができる(020頁)。言葉は文化。文化は可変的。ソシュール先生の、ラングとはひとえに心的、パロールとは心的かつ物理的(058頁)。パロールから音声的なものを除くとラングになる。固有の文化学(culturology)はレズリー・ホワイト先生が提起したという(1949年、066頁)。憶えておきたい。経済学でも固有の価値を再評価する時代ゆえ。A.スミスも『言語起源論』(1761年)で、根源文化の価値を彼も意識していたことは明白である。文化の可変性で難しさ増(150頁)。2013/04/29

Toshiaki

2
ことばはなぜ変化するのか、その変化に人間の意志が関与しているのか、といった言語学の主要な論点に関する論争を取り上げ、生成文法理論や構造主義に批判を加えている。言語学の予備知識がない状態で読むのは少し難しいが、言語学が何を論じ、何を目指してきたのか把握することができる。2017/10/27

niko

0
半分ぐらいが言語学史について、そして最後の章で言語問題について書いてあって面白かったです。私は生成文法を中心に学んだので、それ以前の歴史についてはざっとしか教わらなかったので、こんな薄い本に書いてある内容でも知らない事が多くて面白かったのですが、やっぱり言語学史よりは言語問題について書いてある箇所の方が興味深かったです。2011/11/07

Riko

0
図書館で借りた2013/02/21

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