内容説明
ことばが初めから完璧なものなら、それは変わらないし多様な形をとることもないはずだ。しかし実際には時間とともに姿を変えるし、地上には何千種類ものことばがある。社会規範に取り込まれながらも逸脱してゆく。このとらえどころのない対象に十九世紀言語学は生物学のように接近し、二十世紀構造主義はことばの変化に目をつぶったが実はこの変化にこそ本質があるのではないか。ことばを、自らの意思を持たない自然の性質と同時に、技術といった文化的性質をあわせもつものととらえ、当面する言語問題について考える。
目次
第1章 言語学史から何を学ぶか(言語と言語学史;規範と体系;誤りの中にこそ真実が;近代言語学はことばをどう扱ってきた ほか)
第2章 言語変化の問題―ことばはなぜ変ってはいけないのか(ことばは変ってはいけないか、なぜ変るのか;構造への逃走;「社会的事実」とデュルケム ほか)
第3章 当面する言語問題(言語はコミュニケーションの道具にとどまらない;言語の絶滅にいかに対処すべきか;生物の分類学と言語の分類学 ほか)
著者等紹介
田中克彦[タナカカツヒコ]
1934年兵庫県生まれ。東京外国語大学モンゴル語科、一橋大学大学院社会学研究科、ボン大学哲学部で、言語学、民族学、文献学を学ぶ。現在、中京大学社会学部教授、一橋大学名誉教授。戦闘的かつ啓蒙的言語学者として知られる
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