ちくま新書<br> セーフティーネットの政治経済学

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ちくま新書
セーフティーネットの政治経済学

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  • サイズ 新書判/ページ数 206p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480058140
  • NDC分類 331
  • Cコード C0233

内容説明

バブル期から今日に至るまで「自己責任」や「規制緩和」がいわれ続けている。こうした市場原理主義的な政策と、無節操な公的資金投入を繰り返した結果、デフレが深刻化している。長期停滞から抜けだし、失業や年金不足といった将来不安を解消するには、セーフティーネット(安全網)を張り替え、大胆な制度改革につなげていくことが不可欠だ。ハイリスク社会に警鐘を鳴らし、「市場か政府か」という二元論を超えた、第三の道を具体的に提唱する。

目次

プロローグ 病気と誤診―なぜ不況が長期化したのか
第1章 経済学の失敗
第2章 セーフティーネットとは何か
第3章 市場の限界をどうとらえるか
第4章 グローバルスタンダードの落とし穴
第5章 セーフティーネットの再構築
第6章 第三の道―財政中立的な制度改革
エピローグ 信頼の経済学序説

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

103
よくよく議論を巻き起こす金子先生のセーフティ・ネット(いわゆる安全網)についての提言です。16年前に書かれているのですが、当時書かれていることがいまだ持って実現していないところも多々ある気がします。言っていることは私は非常にまともだと思っているのですが、今の政府の人は金子先生のような方は嫌いな人が多いようです。2016/05/23

佐島楓

16
1999年刊行。既存の経済学が通用しない時代になっている、グローバル・スタンダードの名のもとにアメリカ型の政策を日本に組み込むのは不況を悪化させるだけ、など鋭い指摘が多く見られた。「なるだけ平易な言葉で」書いているとあるが最低限の経済学の知識は必要。私もそこでつまずいた。金子先生の切り込んでいくような文章は好きです。2013/12/30

桜子

13
金子氏のことは苦手です。ですが、何を主張しているかは知るとの考えがあり目は通します。読み進めると、氏は社会主義の推進なんてしていません。セーフティネット論を展開すると社会主義が伴うという主張は間違いであり、内部核となる部分は矛盾と混乱を生み出している資本主義です。セーフティネット論は資本主義のモデル例の1つとして捉え、福祉社会論と同時並行をしないと失敗は目に見えています。実現するには厳しい経済政策だけれども、小泉政権前の1999年に出版されていた点は意義深く、予言書とも言えるほどでした。

Humbaba

4
10年前の本。まだ自己責任という言葉が新しかった時代に、その方向に進めていっても上手くいかないということを予言していた。2010/02/13

Sumiyuki

3
セーフティーネットの張り直しは、理解できる。けど、増税しないで現在の歳入から、税源の再配分などでセーフティーネットの張り直しだけで終わっていいのか、という疑問は残りました。2011/05/24

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