内容説明
人間国宝・桂米朝演じる上方落語の世界。落語の原型は上方にあり。江戸の洒脱な落語とは違う上方の強烈な雰囲気を堪能していただく。第二巻「奇想天外」は、シュールな落語大全集。突拍子もない発想の、話芸だからこそ描ける世界。
目次
地獄八景亡者戯
伊勢参宮神乃賑（煮売屋～七度狐）
天狗裁き
小倉船
骨つり
こぶ弁慶
質屋蔵
皿屋敷
犬の目
著者等紹介
桂米朝［カツラベイチョウ］
１９２５年生まれ。兵庫県姫路市出身。１９４７年、四代目桂米団治に入門。滅亡寸前の上方落語を、故松鶴、春団治、文枝らと力を合わせて現在の繁栄まで導いたリーダーで、数多くの滅んでいたネタを復活させた。上方落語の研究家でもある。１９９６年重要無形文化財保持者（人間国宝）に認定
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感想・レビュー
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Ribes triste
7
今も昔もお気に入りは、西の米朝、東の志ん朝。米朝の丁寧かつ繊細な落語そのままに書かれた本で、つけられた解説も非常に明解。｢地獄八景亡者戯｣はもちろん、選りすぐられた名作ぞろい。気づくと耳元で米朝さんの声が聞こえてくるから、不思議です。2016/01/22
tama
4
自本 発掘中に偶然まとめて発見 師匠を偲びつつ 久しぶりに「地獄八景」「皿屋敷」を味わった。出来の佳い速記本で米朝さんの声色やアクセント、リズムが耳の中に蘇ってきます。米朝さんの大阪弁は三遊亭円生さんの江戸弁と同じく、今テレビのNewsショーやお笑い番組で聴こえてくるのとは大分違って聴こえます。人柄のせい！？「地獄八景」は三途の川を渡って賑やかな通りでの情景が好いなぁ！「皿屋敷」は一枚二枚のあれですが、幽霊になったお菊さんが最高のキャラクター。すごく楽しそうでこっちまで心が明るくなる不思議な噺です。2015/04/21
Prussian_Blue
3
地獄八景（正式には『はっけい』でなく『ばっけい』とのことｗ）を読んでみたくて購入。登場人物も多く場面展開もたくさんで聞きしに勝る大ネタ。鬼の腹に入るくだりはまさに落語版ミクロの決死圏といった趣。生で聞いたらすごいんだろうなあ。ネタとして好きなのは物語の最初と最後が夢オチかつ回りオチできれいに繋がる『天狗裁き』かな。よくあるあらすじだけを収録したものと違ってマクラからの口演の書き起こしなので知っているネタも新鮮に読めます。米朝コレクション全巻そろえて買っておけば良かった。A2014/05/28
saladin
2
第２巻は”奇想天外”。副題通りのシュールな噺が集められている。どれも好きだがやはり屈指の大ネタ『地獄八景亡者戯』。今現在だとわかりにくいクスグリも、米朝師が解説に書かれているように、”風俗資料”として楽しむ。実は『地獄～』は幼少時から『じごくのそうべい』という絵本で触れていたりするのだ。米朝師も今頃は芝居町の寄席で高座に上がっていることだろう。2023/09/22
悠々人
2
どれもシュールで突拍子もない落語ですが、特に「犬の目」が最高でした。 ・目が悪くて眼医者に行った男が、犬の目を入れられた。 その後、男に様子を聞くと、「電信柱を見たら小便がしと うなりまんねん」 読んでて大笑い‼2018/07/24
