ちくま文庫<br> 夜の太鼓

ちくま文庫
夜の太鼓

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  • サイズ 文庫判/ページ数 229p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480036162
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

ありふれた日常の暮らしの中から掬いあげられた、気になること、心に残ったこと、なつかしい人…。そこにひそむ不合理や疑問、美しさを鋭く鮮やかに描き出す。“ことばの力をいのちの力として生きてきた”と静かに語る著者の、忘れていた何か大切なものを気づかせてくれる随筆集。

目次

1 花いちもんめ(時の名称;花いちもんめ;しつけ糸;会社をやめたら ほか)
2 その角の向うに(運動会の空;籠の鳥;美顔;冬の案山子 ほか)
3 松崎(「私の前にある鍋とお釜と燃える火と」の頃;自作について;私の名前;思い出が着ている ほか)

著者等紹介

石垣りん[イシガキリン]
1920年東京に生まれる。高等小学校卒業後、日本興業銀行に就職、75年退職。詩集に『私の前にある鍋とお釜と燃える火と』『表札など』『略歴』『やさしい言葉』、散文集に『ユーモアの鎖国』『焔に手をかざして』などがある
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あや

4
銀行に勤務しながら詩を書き続けた働く女性の先駆者の珠玉のエッセイ。日経ウーマンの読書特集でおすすめされて手に取った1冊。2020/03/14

niki

2
エッセイを読んでいると彼女が詩人であることを忘れる。遠慮がちな女性。 戦後の職場では神棚がはずされ、労働組合が結成。文化活動も活発になり、男女が同じテーブルで議論する。新しい世の到来に深い喜びを感じた、という描写は新鮮であった。職場の視点で戦後を書いた文章を読んだのは初めてかもしれない。 昭和九年に就職した際は着物に袴を着用、洋服は厳禁。 夫の浮気に腹を立て、妻が徴用を願い出る。夫は出征、戦死。 昭和三十年以降の経済成長は、ビルとビルの間にクレーンが林立しまるで港のようであった。 映画を観たような読後感 2023/05/28

かす実

1
私もひとりで部屋にこもって仕事をするばかりの日々なので、「独身の単身世帯」としての暮らしぶりの描写を読むと楽しい。やわらかい文体も会って、昔話を聞いているような感覚。戦中戦後の男女観・結婚観とかなかなかで興味深い。知識としてそういう価値観だったことは知っているけど、ひとりが見聞きし知覚し体験した具体的なエピソードとして読むと迫力がある。蝉の抜け殻とか机の上の消しゴムとか、それらをまなざす詩的想像力がすてきで、好きな表現をいくつか見つけた。「夜の太鼓」は館山がテーマのエッセイ、身近な地名で嬉しかった。2023/06/22

きゆやすか

1
石垣りんさんの詩は教科書に載っていて、誰もが触れる機会があるけれどもエッセイもとてもいいなぁ。我が市の図書館では大活字本でしか所蔵がなく、惜しい。2017/11/22

ぽた

1
何となく手に取った一冊。エッセイなので、起承転結なんてないけれど、随所でハッとさせられる言葉に出会えました。「しつけ糸」が印象的。図書館借本。2012/07/28

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