ちくま文庫<br> 明治十手架〈下〉―山田風太郎明治小説全集〈14〉

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ちくま文庫
明治十手架〈下〉―山田風太郎明治小説全集〈14〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 432p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480033543
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

十手架とは?美しき姉娘は無残にものどを突く。熱血漢原胤昭は、十字になった十手をかざして悪に挑むが…。自由党の壮士、幼き一葉、漱石、子規らも姿を見せ、奇想天外の物語は意外な結末へ。『明治かげろう俥』『黄色い下宿人』収録。

著者等紹介

山田風太郎[ヤマダフウタロウ]
大正11(1922)年、兵庫県養父郡関宮町の医家に生れる。昭和24年、「眼中の悪魔」「虚像淫楽」で第二回探偵作家クラブ賞を受賞。その後「甲賀忍法帖」を初めとする“風太郎忍法”を生みだし、忍法ブームをまきおこす。平成13(2001)年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

geshi

21
悪鬼の如き看守・巡査と出獄人たちの「けだもの勝負」の下巻。それまで因果をじっくり描いていた反面、ラストが少し詰まり気味かな。一人一殺の残酷絵巻が筆乗っててひたすらに楽しい。十手=罪を捕らえる道具、十字架=罪を許すモチーフ、その二つが一つになる意味の重ねがうまいわ。『黄色い下宿人』はホームズ・パスティーシュにあの人を出して「明治小説」にするアイデアの大本。推理対決はミステリも書ける山風の面目躍如といった感じではあるが、これはホームズものとして許されるのか?が不安。2019/03/02

きょちょ

12
表題作ほか2作収録。お夕さんの死によって、悪党5人が巡査・看守を1人1殺。寺西とお町の闘いが一番面白い。それにしてもお夕さんは実に魅力的な女性だ。こんな人、実際の世の中に居るのだろうか。「明治かげろう俥」は1950年代の古い作品だが、表題作より面白く読めた。犯罪者の家族と、犯罪者を捕え褒賞金をもらった男たちのその後の人生を描いた哀しいお話。「黄色い下宿人」は、ホームズと夏目漱石の推理合戦、ドイルの文体に似せて描いている。風太郎明治小説全て読了。「警視庁草紙」「幻燈辻馬車」がやっぱり1番かな。★★★★2015/10/29

キムチ27

9
けだもの勝負と銘打って五番まで続く。こうなると落語もしくは筆者の妖術シリーズの様相を呈し、面白くて仕方ない。聖女お夕が十字架を持って昇天するが、それでも史実にしっかりつま先を据えて、通庸、漱石、子規、一葉、吟香(筆者作品にはレギュラー、よほどお気に入りの様だ)が絡んで行く。 ヘボン、仕立て屋銀次、自由民権運動と福島事件の場面が活き活きと誌面で跳ねる。 会津藩、福島が明治時代苦しんだ時間がこのように語られるとおぼろげながら骨格が掴めた。2013/09/11

河内 タッキー

7
最後の10数行、娯楽小説でありながら泣ける。それまでの話は活劇だが、最後は全く色を変え、爽やかな感動を覚えた。2015/04/26

たみき

5
明治舞台の忍法帖を読めると思わなかったので新鮮だった。けど「明治かげろう俥」のほうが好きかな。2015/02/20

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