内容説明
世の中とはどういうものか。人々はどのようにして生きているのか。社会にはどんな問題があり、それがどう解決されようとしているのか―。第一線のルポライターとして、全国の工場、農村、漁村を歩きまわり、働く者の立場から鋭い報告を書き続けている著者。氏のルポライターに至る半生をふり返り、社会を見る目がどのようにして培われたかを綴る感動の書。
目次
世の中に出て
鉄の町へ
ベルトコンベアの前で
出稼ぎ労働者に学ぶ
ぼくたちの生きる社会
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nobody
16
もし鎌田がいなければ日本の労働運動ジャーナリズムは壊滅していたろう。文才はないが貴重な存在だった。高卒後町工場で3年働いてから大学に入っているが肝腎のその理由がない。活動家ではなくルポライターの道を選んだ理由も。意図的に書かなかったのかもしれないがその2点が物足りない。今や鎌田が批判するこの社会を支持する分断された大衆は言うだろう。「底辺労働に就いたのは学歴が低いからでしょ? 私らは必死に勉強して高学歴を得たのよ。自業自得じゃない?」憲法第25条に「ただし高学歴者に限る」と但し書きを加えてもらうしかない。2018/05/01
ステビア
1
ポップな装丁とは裏腹に、暗い本。個人的には大学生活のことを書いてほしかったが。2012/06/12
すいか
1
高度経済成長社会を支えてきたのは、3Kの世界で生きている労働者のおかげだったのかもしれない。2008/08/06