内容説明
サルトルの墓の前でその絶望の深さに思いをいたし、ガウディの建築の背後に西洋中世以来の石の文化の歴史を読む。ケルン大聖堂の鐘の音が聞える国際会議場で世界の作家たちのおかれた困難を実感する…。中世と現代を行き来しつつ「今」をとらえる、具体性と自由な思考に裏うちされた出色の文明論。
目次
歴史曼陀羅
在欧通信(サルトルの墓;フランコ死後5年;美術品の危機;バカンスと西欧社会;飢えと渇きと爆弾と ほか)
往復書簡 核時代のユートピア(大江健三郎;堀田善衛)
人、親しければ(第1回A・A作家会議とネルーのこと;インドの作家たち;ソヴィエトの作家たち;政治と文学について ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
浅香山三郎
3
堀田さんの著作は、専ら小説でないものばかり読んでゐる。中国で敗戦を迎へ、戦後も日本に余り定住しなかつた同氏ならではの西洋文明論(とくに欧州社会論)は、時代が経つても決して違和感がないし、体験的で面白い。また、「人、親しければ」で描かれるアジア・アフリカの作家たちの群像は、冷戦期といふ政治の時代に、様々に翻弄された表現者の苦悩と、ある種の強かさや知恵のやうなものを感じさせる。政治の文学への介入にうんざりしながら、それでも作家たちが集まる場を維持しやうとした時代の空気が感じられる。2017/07/02
うえ
1
ノートルダム寺院前広場の下の駐車場は、遺跡を避けるために迷路になっているのでやめたほうがいいらしい。読むだけ無駄な本。2014/05/31
あ
0
うーん2017/08/04