内容説明
やわらかな肌ざわりと色彩に富む木綿の出現は、ごわごわとした麻の衣に慣れていた日本人の表情やものごし、感性にまで大きな変化をもたらした。芭蕉の「七部集」に見られる無数無名の女性たちの生活誌を資料として、新たなる日本文化史を構築した『木綿以前の事』。鏡餅はなぜ丸いのか、握飯はなぜ三角なのか、節供や式日の食べ物の持つ意味や、贈答品に添えるのしの起源など、食の習俗から日本人の心と信仰のありようを解き明かす『食物と心臓』。日常卑近な話題から日本文化の本質に迫る2名著ほかを収録する。
目次
木綿以前の事
食物と心臓
手拭沿革
民間些事
稗の未来
米櫃と糧と菜
親の膳
小豆の話
塩雑談
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
iwasabi47
1
挫折。「食物と心臓」残す。また。2020/09/30
Soma Oishi
1
この本を読んで帰納法を理解した。ただ帰納法には反省が必要だということも知る。反省に依り悟性の能力を高め帰納法により世界を見て取る。それが学問である。演繹法による学問もあるが人間の姿勢として帰納法(学問)によって演繹法(学問)が認識される。よって反省に依らなければならない。 柳田国男の経世済民と言う姿勢は世界の改善である。反省によって世界は改善される。柄谷行人が反省を蔑ろにすることによって世界が何らかのクライシスに陥るかもしれないと言う。しかしその破滅が人類に反省をもたらし世界の改善へ向かわせると述べて2014/11/08
草津仁秋斗
0
木綿以前のこと、食物と心臓など、衣食に関わることが中心の巻。時代が違うから今から見たら納得できないこともあるけど、当時の考え方を知るうえでもとても参考になる。2014/08/16