内容説明
明治41年、講演・視察旅行の途次、宮崎県椎葉村を訪れた法制局参事官柳田国男は、秘境に伝わる狩猟儀礼の伝承を通じて、山地焼畑の暮らしの中に息づく山の神信仰とはじめて出会った。その折の驚きと感動のもとに誌された聞き書き『後狩詞記』(のちのかりことばのき)は日本民俗学の誕生を告げる記念すべき名著である。河童と水神、馬と山の神など、固有信仰に関わる伝説・口碑を文献資料に基づいて蒐集・整理した『山島民譚集』のほか、「勝善神」などの諸論考を収録。
目次
後狩詞記
山島民譚集
掛神の信仰について
勝善神
猿廻しの話
絵馬と馬
板絵沿革
山民の生活
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
メーテル/草津仁秋斗
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後狩詞記と、主に伝説を中心にした山島民譚集、そして猿や馬に関する論をまとめた本。柳田民俗学の粗型が見える。2015/08/31
Soma Oishi
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僕は察しが悪いので「後狩詞記」が狩りについての詞だと解説を読むまで気づかなかった。僕が思っていたのはことばをかるという民俗学の手法なのだろうと思っていたのだけれど言われてみれば狩りの詞だった。しかし柳田国男さんは詞を狩るという意味でもいいといわれるような気がする。 柳田国男さんを読むようになってファシズムについてよく考えるようになった。社会主義を否定し専門家に従う社会はファシズムである。しかし柳田さんの作品を読んいるとけっしてそのようなものではない。社会主義の回復というもの、社会主義者のヒューモアをみ2014/06/06