内容説明
水曜日毎に武蔵・相模の界隈を散策した折の紀行エッセイ「水曜手帖」、明治四十年代に農商務省の役人として越後・木曾・飛騨・北陸路を視察旅行した際の日記をもとに誌した『北国紀行』、国際連盟委任統治委員としてジュネーブに滞在した当時の「瑞西日記」、さらに江戸末期の遊歴文人菅江真澄が遺した旅の日記を紹介しつつ、その漂泊に想いを寄せた論考の集成『菅江真澄』他を収録。旅の目的・方法や面白味を説き、旅行道を提唱した柳田国男は、山里や海辺の小村の風物やそこに生きる人々の生活の中から民俗の心を汲みあげようとしている。
目次
水曜手帖
北国紀行
50年前の伊豆日記
瑞西日記
ジュネーブの思い出
菅江真澄
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
iwasabi47
4
『水曜手帖』 クニオおじさんが成城から武蔵野ブラブラ。子供に声かけ。今なら怪しい。 『北国紀行』 文庫版全集2『秋風帖』にも出てくる御嶽の峠越との比較(官僚時と民間時)も面白い。村の経営を観察し、所々に風俗の観察も入る。まとめに村の入会や燃料の話がついてる。 『菅江真澄』また後で。2020/07/12
メーテル/草津仁秋斗
0
柳田の紀行文と菅江真澄に関する文章をまとめた本。軽く読める。2015/07/03
Soma Oishi
0
菅江真澄について初めて知りました。 表紙が菅江真澄の絵であることを知りました。 言語使用における不平等。日本企業(楽天・ユニクロ等)における英語使用による新たな格差という見方がもう柳田国男さんによってなされていた。 遡っているのは理由があるのだろう。 とても面白かったね。2014/05/18