内容説明
60歳の誕生日を目前にして、作家は日本を離れ、スペインに居を移す。北スペインの小村、マドリード、そしてグラナダ―人びととのふれあい、旅での見聞、おびただしい読書と思索の日々の中で、作家は、ョーロッパの歴史と現実をリアルに再発見し、遠い日本の狂騒をさらに明らかに見届ける。1977年7月から430日にわたる、刺激的なスペイン滞在日記。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ikedama99
6
寝床で再読。日記形式で綴られる生活の姿に魅力を感じる。この本を読むたびに、スペインに行きたくなる。アルハンブラ宮殿に行ってみたいと思う。堀田さんの本をもう少し読んで見たい。2022/07/07
ikedama99
3
再読。手に取り、また読み始めた。日記文学(こんな言葉あるのかな?)が好きなのかも。少しずつ読み進める。いろいろな人との出会いもさることながら、スペインでの生活を通して、その場所の姿も見えるようで面白い。またいずれ読むのだろうな。本棚の所定の場所に戻すつもり。2018/02/12
ikedama99
2
再読の本。時々取り出しては読み直す1冊。1日1日を書かれた日記そのものなのだけど、妙に引かれるのだ。スペインという国の持つ歴史の重層の重さ・・レコンキスタの頃の王や女王からスペイン内戦、フランコ独裁の終焉と住民の生活、鬱屈した思いなどが日記のあちこちに表れていると思う。それが、淡々と綴られている。また、スペインから見た日本や世界の異様さも引かれるのだ。この方の本、もっと読んでみたい。・・天気の変化の凄さは、この年だけなのだろうか。すごすぎる。アルハンブラ宮殿、行ってみたい。2015/07/05
masuo
1
近所の古本屋兼古道具屋兼古着屋で購入。当時のスペインの生き生きとした描写が魅力。
Jau
0
読んでいて、いつの間にか寝入る。正午の鐘で目が覚めて、50年近く生きてきてこれか、と思う。 スペインではこの50年の間に、馬が窓から覗いたり、牛が乳を絞らせに来たりはもうしないであろうに。 私のしたこととは、と思う。進歩がない。 著者が羨ましい。文章で食べていること、食べるに値する含蓄。 比べるのも烏滸がましい。 読むことで、自分の日々にも、書くに値する事物が見つかる。 (単行本を読んだがこちらにも)