ちくま文庫<br> フーテン(全)

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ちくま文庫
フーテン(全)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 496p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784480022615
  • NDC分類 726.1
  • Cコード C0179

内容説明

1960年代後半、高度経済成長の時代、加速する社会からドロップ・アウトした心優しき人々の群“フーテン”。若者から初老の男まで、さまざまな人生体験をへて、都会の隅っこに流れついた人々と、漫画家“長暇貧治”との心の交流。漫画を描く仕事とフーテン生活の両極に揺れつつ、“生きるとは何か”を問い続ける、私小説的漫画作品の総集編。

著者等紹介

永島慎二[ナガシマシンジ]
1937‐2005。東京北区に生まれる。15歳の時『サンショのピリちゃん』でデビュー。若者たちの内面を描いた『漫画家残酷物語』は、漫画で人生を考えると評判になり、“人生派の始祖”と呼ばれる。『花いちもんめ』で第17回小学館漫画賞を、『漫画のおべんとう箱』で日本漫画家協会賞優秀賞をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

陰翳rising sun

11
デカダン。 古本市で勧められて購入。タイトルと表紙からは想像できない、世界観に圧倒された。高度経済成長のなかで、社会からドロップアウトした者たちの話。短編集でテンポよく読める。漫画とは思えないほど詩的で、コマ割りや台詞ひとつひとつが丁寧。社会に馴染めないことの葛藤や、生きづらさが凝縮されている。まずゲーテの詩から始まり、途中に太宰治のオマージュ(?)もある。円空や西行にも言及されていて、デカダンが新しい形の「清貧」ではないかと思った。2020/09/27

書の旅人

7
舞台は私が生まれる少し前…。昭和、平成、令和と時代は流れ、街も人の営みも大きく変わっても、本質的なものは変わらないのでは……。私が昭和だからなのか、この作品には、あの頃の自分がいました。あの時の自分もいました。そして、少し前の自分まで…。“秋の章”では、私が望む姿が其処にありました。「はっきり申し上げるなら私は 貴方の精神状態をうたぐっております たしかに病気です」その言葉通り、大抵の人はそう言うでしょう。しかし、どちらが正しくて、どちらが間違っているのか…。答えを出せる人はいません。 2022/05/27

ウチ●

3
大人になってから初めて永島慎二を読んだ。(注・水島新司ではないよ。)と、いうのも遥か昔、確かベネッセになる前の福武書店の「チャレンジ中学生講座」にて「独りくん」という漫画を連載されていました。当時は主人公の暗い少年がブツブツ哲学的独り言を言いながら歩き続けるだけのストーリーが理解できず、なんて面白くない漫画を描く人なんだ、との認識でした。しかし、しかし、今回巡り合った本作には完全に打ちのめされました。人の「心」を描くのには表現にもストーリーにもこのような手法もあるのかと。解説がまたまた秀逸。2017/12/15

Nepenthes

2
漫画家、作家、サラリーマン、学生、社長、子供…皆各々の状況に嫌気がさしてふらりとフーテンに。全てとは言わないがいつの時代も誰にでも通じ得る普遍的なテーマだと思う。どの短編も面白く、時々仕事したりカタギと行き来したり群像劇も色々。作者の描く物哀しさや優しさや切なさ、詩的な繊細さはどこかサラリとしているが絶品で、絶妙な余韻が残る。心の中に灯された一本の蝋燭のような温かさ。何の気なしに手に取りパッと開いて読みたくなる、長い付き合いになりそうなとても良い漫画です。2023/02/08

飯田一史

0
TOKYO TRIBEみたいな都市風俗まんがであり灰色の青春群像劇だなと思った。40代の会社シャチョーのキャラがよい。2014/10/15

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