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内容説明
狂気に隣接して生きた詩人にして残酷演劇の実践者アルトーの、最晩年に一気に書下された美術論の傑作。「単なる批評的産物というよりも、この異様な詩人がゴッホに覚えた全身的な共感が生み出した血の叫びとでも言うべきもの。」最初期の作品『神経の秤』および『芸術と死』(本邦初訳)を加える。図版4点収録。
目次
ヴァン・ゴッホ―社会が自殺させた者
神経の秤
芸術と死(或る種の不安の…;女占者の手紙;エロイーズとアベラール;明るいアベラール;毛のウッチェロ;力の鉄床;自動人形;愛のガラス)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
秋津
4
素晴らしい言葉。またフランス語がやりたくなった。以前演劇を勉強していた人が研究テーマはアントナン・アルトーといったのを聞き流した自分…情けない。読んだきっかけは、古い映画の中で町蔵が朗読していてあまりにも良かったから。2023/03/27
午後
2
アルトーを読んでいると、私たちが抱いている世界認識が、途方もない勘違いなのではないかと思えてくる。世界を揺るがすほどの強靭なイメージ、思いがけない語と語の連結の、電撃的な文体の痙攣によって、呪術的な熱っぽい語り口によって、私たちの思考が、脳髄が真っ青に作り変えられる。思考の不可能性を目掛けて、ひっきりなしに熱暴走を起こし、枝葉を広げていくアルトーの言語が永遠に続くような夜に切れ目を入れて、その奥の果てのない闇を覗かせる。2021/12/28