内容説明
古事記が和銅五年に、太安万侶によって撰録されたとする序文が疑しいことを論証し、真の編纂者と成立時期を明らかにする。
目次
1 『古事記』序文が和銅5年に書かれたことは疑わしい
2 現存『古事記』以外にも存在した『古事記』
3 『万葉集』記載の『古事記』をもって現存『古事記』の古さの証明にはならない
4 上代特殊仮名遣の使用をもって『古事記』の古さの証明にはならない
5 現存『古事記』を宣伝した『弘仁私記』序
6 『日本書紀』と較べて『古事記』の神々にみる新しさ
7 『古事記』と深くかかわっている秦氏
8 『古事記』独自記事からみた『古事記』の性格
9 『古事記』独自記事からみた『古事記』関係氏族
10 現存『古事記』成立時期と偽作の動機及び編者
11 『古事記』論考批判―『古事記』は『日本書紀』より新しいとみる論考の検討