内容説明
いかにして自分の内界を知るか。『モモ』の時間を通して考察する、現代人の内界への旅と「全体性」回復への試み。
目次
1 現代人の心理不安を探る(夢の世界から;象徴と無意識の世界;なぜ「空飛ぶ円盤」がみえるのか)
2 子どもから何を学ぶか(子どもをどうみるか;新しい親子関係)
3 昔話が現在に教えるもの(昔話の深層;昔話と人間の心)
4 ファンタジーとこころの構造(『ゲド戦記』と自己実現;『モモ』の時間と「私」の時間)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
rootstock1998
2
文学作品、昔話を題材として心の問題に取り組もうとする対談集。 第一部の藤岡喜愛さんとの対談が面白い。ノイローゼの人を単に精神を病んだ社会不適合者とみるでなく、それは自分の意識外から変わることを要請された選ばれたものであるという捉え方は、救済、救い、祈りといった事柄に通じているように思う。 また『ファンタジーを読む』でも取り上げられていた『ゲド戦記』だけではなく、『モモ』ミカエル・エンデの 時間 に関する考察は、内的なリアリティを見ようとする河合隼雄先生的だなと感ずる。2018/01/10
みそ
1
河合先生の本を読むと、いつもヒントがもらえる。仕事のことも、生きることも。 直接的な答えが書かれているわけではないのに、自分の中でいろいろな考えが浮かんできて、ああそうか、そういうことかも、と思えてくる。 それは、カウンセリングを受ける体験と似てるのかもしれない。 だからきっと、読む時々によってどの部分に惹き付けられるかはかわってくるんだろうな。2019/12/17
izokaw
0
最近河合氏の事を知り、グリム童話の深層に続き二冊目。(図書館) 前半の対話形式の文は話があちこちに飛んで読みづらく感じました。後半は対話形式ではなくまあ読みやすい。すこし難しくて、まぁ何となくわかった風であります。2012/06/20