「経済人」の終わり―全体主義はなぜ生まれたか

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「経済人」の終わり―全体主義はなぜ生まれたか

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  • サイズ B6判/ページ数 278p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784478372111
  • NDC分類 332.06
  • Cコード C2034

出版社内容情報

第一次世界大戦後,ヨーロッパに台頭したファシズムの原因と,その社会的経済的背景を鋭く分析し,社会に警鐘を鳴らした処女作。

内容説明

全体主義の問題は、依然として解決してはいない。第一次世界大戦後、ファシズムが台頭した原因と、その経済社会的背景を鋭く描いたドラッカーの処女作。

目次

第1章 反ファシズム陣営の幻想
第2章 大衆の絶望
第3章 魔物たちの再来
第4章 キリスト教の失敗
第5章 全体主義の奇跡―ドイツとイタリア
第6章 ファシズムの脱経済社会
第7章 奇跡か蜃気楼か
第8章 未来

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

えちぜんや よーた

82
要は経済的合理性よりも、一部の人間が考えた社会秩序を優先させるとどうなるかという実験結果の本。現在の日本の状況と重ね合わせると、笑って聞き流せない箇所がいくつもでてくる。特にP156の記述。「全体主義経済の究極の目的は完全雇用である。国民所得や経済発展は結果にすぎない」。第二次世界大戦当時のドイツ・イタリアと現代の日本は「みんなで仲良く貧乏になろう」という思考様式は、見事に一致している。異なる点は当時のドイツ・イタリアが「軍事」のためであり、現代の日本が「社会保障」のためであるというところ。2017/01/01

横浜中華街2024

11
経営学の泰斗ドラッカーの処女作。経営ではなくファシズムの分析と批判の書で、大戦直前の1939年出版。経済的成長が自由と平等を実現するという理想が破れ(経済人つまり資本家の終わり)、当時席巻していた共産主義も理想には程遠いものであると判明した頃に、全体主義(ファシズム)が出現したが、これは構造的に脱経済社会的であり持続不可能なのだが、すがるものが欲しい大衆の支持を得ることで強大化していった、といった内容。2021/04/30

ぷるぷる

5
全体主義の成立についてが納得のいく解釈で、全てを批判、否定すること自体が主義というのが空恐ろしい。既権力の否定だけで政権を奪取するのは数年前に身近にあった光景だ。全体主義のような脱経済社会では輸入問題が深刻になる。消費が無くなる中でも社会投資のために輸入は必要となるためであり、結果として輸入超過、外貨不足に陥るということらしい。日本の場合に置き換えても国内の消費が減退しデフレ化している状況は全体主義の結果と酷似しているように感じた。現在の日本も輸入超過に陥ったばかりである。何処か他所の話しではない。 2012/02/02

さとうよ

2
合理的思考の大切さ、狂気に魅了される人間の弱さ。今、合理的って言葉は「銭ゲバ」みたいなイメージだけど、そうじゃない。金銭のみを追及することが本当に合理的か?と考えていくことが経済人なんですね。2011/07/25

たー

2
全体主義(ファシズム)の原因が既存の価値観の崩壊から来ているという分析を信じれば、現代にも正に当てはまる気が…2009/01/31

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