内容説明
GDPから、HSM(人間満足度尺度)へのパラダイムシフトの道順。すでに始まった人口減少=経済縮小社会における、もう一つの「豊かさ」のための設計図。お手本は、スウェーデン。
目次
第1章 「持続可能性」というモノサシ(地球の扶養能力と人間活動を“均衡”させる;豊かな文化を生む“定常状態の世界” ほか)
第2章 「動脈系」社会から「静脈系」社会へ(動脈系の「ウインドウズ」を追い上げる静脈系の「リナックス」;日本が生んだ世界的オープンソースソフトウェア「トロン」 ほか)
第3章 「豊かさ」の質を問いなおす“第3のモノサシ”HSM(GDPの開発とGDP批判;本格的にGDPを改良した指標ISEW/GPI ほか)
第4章 “スウェーデン”というモノサシ(経済的側面;社会的側面 ほか)
第5章 持続可能な日本サステナブル・ジャパンの構築(経済的側面;社会的側面 ほか)
著者等紹介
大橋照枝[オオハシテルエ]
1963年、京都大学文学部哲学科社会学専攻卒業。(株)大広マーケティングディレクター、國學院大學栃木短期大學助教授を経て、現在、麗澤大学国際経済学部教授。2001年、博士(学術)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬弐仟縁
2
動脈系の時代は男性優位だったが、男女共同参画社会で、静脈系の女性優位へと、パラダイム転換できない社会は、家族でも、地域でも、コカだろうが、地球だろうが、滅びかねない。40ページの図示は、そのようなことを思う次第であるが、12年前に提起されていたのは男女共同参画社会基本法(1999)を受けているのは直感された。心臓のポンプは何か。それにより、動脈も静脈も圧力が規定されてくるわけで、日本の場合は、人口減少社会だから、循環する血液がうまく漉されなければいけないが、そのフィルターは目詰まりを起こしてはならない。2012/10/16
taming_sfc
1
大橋照枝先生による2005年の著作。資本主義のシステムを動脈系とし、地域の連帯を静脈系と表現することで、静脈系の社会の充実を豊かさに反映することを説く。とくに、GDP/GNPの批判的考察は、一読の価値あり。2010/07/23