内容説明
時代は昭和の中期。すすきのの料亭を舞台に咲いた小さな純愛。二人の恋は、時を越え、街を越えていま、私たちの胸にぽっと灯りをともす。第39回北海道新聞文学賞佳作入選。
著者等紹介
佐藤梅子[サトウウメコ]
1929年生まれ。札幌市在住。『すすきの六条寺町通り』(「蟹」14号)北海道新聞文学賞佳作入賞(2005年)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あつひめ
75
道新文学賞佳作受賞作。札幌すすきのの料亭で恋が始まる。色恋に無縁な女ほど恋の穴に落ちるとどこまでも落ちていく。狭い街の中、みな見て見ぬふりをする辛い恋。男ののらりくらりとした態度。でも、それは致し方ないことかもしれない。心も体も人生も一つしかない。妻にも愛人にも半分ずつ分け与えるしかないのだから。女は子宮の奥の奥で物を考える生き物。この作品では後半になって主人公がやっと生き始めた気がする。女は辛いことも楽しいこともすべて心の栄養にして長生きして老後は過去を宝箱にしまって慈しむのかも知れない。2014/02/07
あられ
0
水商売と呼ばれる世界の、特別な感性を持つ人たちのことなんだろう。すすきの にひかれて読んだが、どうも今一つ寄り添って読むことが出来なかった。2014/10/10
KM
0
会社の帰りに歩いて冒頭に出てたお寺の近くに行ってみた。 もしかすると作者の自伝的な作品なのかな。2019/07/27