出版社内容情報
近年、“主体のなさ”を特徴としてイメージ表現が成立しにくい事例が増えている。そのような中で描画法を用いる意義はあるのか。バウムテスト、スクイグル、風景構成法を用いた研究や事例をもとに、セラピストとクライエントが出会い、関わるプロセスにおいて描かれた絵と共にクライエントの主体が生成される様を描き出し、「融合」「否定」「情念」などの概念を通して現代の心理療法における描画法・イメージの意義を検討する。
目次
序章 描画法の位置づけ―投影法と心理査定
第1章 現代の心理療法と投影法
第2章 対人恐怖的心性と風景構成法
第3章 風景構成法と主体の生成
第4章 境界と対話の場としての交互スクイグル
第5章 主体の内実としてのイメージ
第6章 バウムテストにおける主体の生成と「出会い」
第7章 描画法における主体の生成
第8章 情念とは何か
第9章 夢を介した心理療法における情念と共通感覚
終章 心理療法と情念
著者等紹介
松井華子[マツイハナコ]
1978年、福岡県生まれ。京都大学大学院教育学研究科単位取得満期退学。博士(教育学)。臨床心理士。公認心理師。現在、天理大学人間学部准教授。専門は臨床心理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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