出版社内容情報
国際的に高い評価を得ている篠田桃紅。進化を続ける抽象画の”今”を捉え、新作により桃紅美の精髄を伝える水墨抽象画による「抽象」ABSTRACT、書の新作による「文字」CALLIGRAPHYの2冊合本。渾身の作品集。
内容説明
画業半世紀を迎えた篠田桃紅、初の描き下ろしカラー作品集。墨、銀、白、朱、金の世界に桃紅ずいひつを添えて。
目次
1 抽象(「秘抄」;「うたた」;「賦」;「止手」;「白露」 ほか)
2 文字(印「桃」;「雪」;「わがふるそでをいもみつらんか」;「きよら」;「飛鳥出林」 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
keroppi
35
「人生は一本の線」を読んで、桃紅さんの絵をもう少し大きい紙面で見たくなった。「抽象」と「文字」の二冊組。抽象は、自然から受ける思いが、感覚として表現されたよう。文字は、その創造期まで遡り、その感覚を自由な筆運びにまかせたよう。「桃紅水墨」と桃紅さん自らが称するように、独自の世界観だ。実物を見てみたい。2017/03/20
スプーン
34
前衛書家の作品集。まるで生け花を見ているような静けさがあります。オリジナリティがあり、わびさびが効いている。2021/03/07
tama
4
図書館本 「文字」と「抽象」を別々に貸し出してた。抽象の「三月」の紅はひょっとしたら桃紅さんの家の雛祭りではないだろうか。抽象では紙以外のどうやらキャンバスや絹本も使われ、シルクスクリーン(?)や版画というかスタンプ的な手法も使われているみたい。が、そういう点は一切述べられていないので、黙って観るだけ。文字の方には随想も数ページ。貸家の入り口に貼ってある半紙に書かれた「かしや」の文字と、斜めに貼られた姿にたいする桃紅さんの感覚はたまらなく素敵です。「舟」の文字。小川を滑るように流れる笹舟を思いました。2015/07/11