出版社内容情報
英国の泰斗が、公正性を目ざす冷徹さと異文化の尊重を基底とする温かさを備えた筆致でとらえる、独自なる文化の全体像。朝鮮半島の文化を通史で辿る、英語圏で初めての試みとなる本書。その伝統のナショナルな特性を、英国の泰斗が歴史的出来事との関わりを軸に詳しく紹介。公正性を目ざす冷徹さと異文化の尊重を基底とする温かさを備えた筆致でとらえる、独自なる文化の全体像。
「本書の目的は、進歩しゆく一国の歴史において、文化が政治、経済、社会制度とどのように結びついているかを示すことである。朝鮮におけるこの相互作用は、早くも国家形成の最初期である紀元前一〇〇〇年代後半にすでに確認できる。それは、中華帝国の文化圏内での曖昧な地位に甘んじた長い期間を通して、朝鮮人、とりわけ支配階級の人々に多大な影響を与えた。二〇世紀の日本の植民地時代における生存闘争においては、朝鮮人らしさを守り、形成することは不可欠だった。」
――「日本語版のための序文」より
日本語版のための序文
序章
? ナショナルアイデンティティの形成
第1章 歴史の幕開けから六六八年まで
第2章 統一新羅(六六八?九三六年)
第3章 高麗(九一八?一三九二年)
第4章 初期から中期朝鮮(一三九二?一八〇〇年)
? 不安定な世紀
第5章 隠者の王国(一八〇〇?六四年)
第6章 侵略、近代化、改革(一八六四?一九〇五年)
? 苦難の世紀
第7章 危機に瀕する文化(一九〇五?四五年)
第8章 分断と戦争(一九四五年?五三年)
第9章 戦後朝鮮
結 論 朝鮮アイデンティティの追求
キース プラット[キースプラット]
著・文・その他
宋 恵媛[ソンヘウォン]
翻訳
内容説明
朝鮮半島の文化を通史で辿る、英語圏で初めての試みとなる本書。その伝統のナショナルな特性を、英国の泰斗が歴史的出来事との関わりを軸に詳しく紹介。公正性を目ざす冷徹さと異文化の尊重を基底とする温かさを備えた筆致でとらえる、独自なる文化の全体像。
目次
1 ナショナル・アイデンティティの形成(歴史の幕開けから六六八年まで―文化様式の変動;統一新羅(六六八‐九三六年)―自信の構築
高麗(九一八‐一三九二年)―独立のための闘争
初期から中期朝鮮(一三九二‐一八〇〇年)―妥当な正統性を求めて)
2 不安定な世紀(隠者の王国(一八〇〇‐六四年)―伝統の制作現場
侵略、近代化、改革(一八六四‐一九〇五年)―追い詰められる伝統)
3 苦難の世紀(危機に瀕する文化(一九〇五‐四五年)―植民地時代
分断と戦争(一九四五年‐五三年)―再びの分裂
戦後朝鮮―伝統と変化)
結論―朝鮮アイデンティティの追求
著者等紹介
プラット,キース[プラット,キース] [Pratt,Keith]
ダラム大学名誉教授。1938年生まれ。中国語を学んだ後、ダラム大学で中国古典、近代以前の中国史および芸術、中朝関係史等を教える。1976年、ダラム・オリエンタル音楽祭を共催。中国、韓国、日本および他の多くの国々の伝統音楽を初めて欧米に紹介し、世界的な注目を集める。ダラム大学教授(中国研究)、同大学東アジア研究科の学科長(北京人民大学、熊本大学と交換協定を締結)のほか、英国有識者会議議長、大学中国委員会(ロンドン)委員長、英国コリアンスタディーズ学会学会長を歴任
宋恵媛[ソンヘウォン]
博士(学術)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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