出版社内容情報
18世紀「火」をめぐる議論、錬金術論から、19世紀初頭の病理学、生気論など科学史と思想史が独自に融合した科学思想史研究。
内容説明
フランス系科学認識論(エピステモロジー)の伝統をベースにしながら、化学と医学という個別科学についての認識論を構築する。18世紀の火をめぐる議論、錬金術論、バシュラールの化学哲学、19世紀初頭の病理学、生気論、ゾラの仮想的遺伝学論など、科学史と思想史が独自に融合した、現在最も注目されるべき科学思想史研究の成果。著者のこれまでの知的遍歴を集大成する一冊。
目次
第1部 化学の思想史(火の化学―忘れられた、或る学問的闘争;分析への認識論的障害;物質との対話の想起のために―錬金術の哲学に向けて;バシュラールの化学哲学―科学論の考古学のために)
第2部 医学の思想史(医学的一元論者の肖像―医師ブルセの栄光と凋落;刺激感応性―或る生理学的概念の運命;哲学者の生物学像―コントの場合;生気論の運命―バルテズからベルナールへ;仮想世界の遺伝学―ゾラの遺伝的世界)
著者等紹介
金森修[カナモリオサム]
1954年札幌市に生まれる。1985年パリ第一大学哲学博士。1986年東京大学博士課程単位取得退学。現在、東京大学大学院教育学研究科教授。専攻は科学思想史、現代科学論。著書に『フランス科学認識論の系譜』(勁草書房、1994年、第12回渋沢・クローデル賞受賞)、『サイエンス・ウォーズ』(東京大学出版会、2000年、第26回山崎賞・第22回サントリー学芸賞受賞)など
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