内容説明
忘れてはいけない、そこに暮らしていた人々がいることを―週に数度、放射線量の高い浪江町の自宅に帰っている老人。故郷と共に生きてきた男が自分にできる作業に淡々ととりくみ、戻る日を信じる―強い思いを伝えるフォト&エッセイ。
著者等紹介
八木澤高明[ヤギサワタカアキ]
1972年神奈川県生まれ。大学在学中に写真を始める。写真週刊誌専属カメラマンを経てフリー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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けんとまん1007
13
幸四郎さんと、奥様。どうして、こういう方たちが、こういう目にあわないといけないのか・・・。故郷というものの大きさ。まさに、大地のようなものだと思うが、それを、奪われてしまった、しかも理不尽に。その原因を作った人たちは、自分たちを安全な場所において、のうのうとしているというのに。幸四郎さんは、そんなことをも超越してしまったような風情すら感じさせてくれるが、そこに至るまでのことは、並大抵ではないはずだ。これは、そんな自分の立ち位置を考える物語でもある。2016/06/17
海(カイ)
10
福島県民として、 こういう本は読んで知っておきたい。 忘れないために。 神保町古本まつりで購入!2013/11/02
ふう
6
2011年3月11日 孫娘の結婚式。だったはず。 幸四郎さんの穏やかなお顔を見ると、何とも勿体ない気持ちが湧いてくる。故郷とは心の中にある精神的なものだけでなく、五感をぶつける肉体的なものだ、という。体を動かして生きた故郷を維持し続けようとする無心さが伝わってくる写真集。 親子三代通った中学校のグラウンド一面に、行き場のない放射線物質の詰まった袋が何段にも重ねられている写真。何ともつらい光景。2016/02/19
( ̄∀ ̄)
0
酪農を生業にしている人は土地を離れてはやっていけない。 採れても放射能でやられてしまている。 神や仏も人がいなければ成り立たない。 動物も逃げられず、その土地の危険性なんか知る由もない。 すべては一部の人間のエゴのため。2017/08/08