内容説明
病床から闘病体験を求めた水上氏の電話に始まる十数年間の交流―「地下茎で結ばれた」(水上氏)交友を記録した五十数通の手紙に、不破氏が「注」や「解説」を書き加えた。「無言館」館主の窪島誠一郎氏も、文章を寄稿して父への思いを語る。ふたりの「心音」に耳を澄ます友情に溢れた「交心録」。
目次
一九八九年
出会いの経過
一九九二年
二年半ぶりの交信
一九九三年
一九九四年
少年不破の吉川英治氏との出会い
一九九五年
勘六山山房の風情
一九九六年
京都市長選への支援のお願い〔ほか〕
感想・レビュー
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sumjin
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それは水上氏からの一本の電話から始まった。心筋梗塞で倒れ、2/3が壊死した心臓。死の姿を前に見た水上氏に新聞記者が見せた一枚の写真。それは同じように心筋梗塞で倒れたが快復し、元気で山に登る不破氏の写真だった。「心臓がそんなで、どうして山に登れるのだか、その秘伝を聞きたかった」。そこから15 年に及ぶ二人、正確には不破氏の七加子夫人を加えた三人の交友が始まった。“心友”。「心臓の事だけでなく、目で見えない地下茎でつながっている」お互いに尊敬し、いたわりあい、共感しあった人間としての交流が。2012/03/11