内容説明
恋愛経験ゼロながら、マッチングアプリ運営会社で広報を務める澄。ある日社長室に呼び出され、澄に“百万人にひとり”レベルの相性の相手が見つかったと告げられる。それが同社のアプリ開発担当の門脇楡、男性だった。速攻拒絶する澄だが、「AIは嘘をつかない」と断言する楡とお試しで付き合うことになってしまう。相性がいいと思えることは全くないのに、距離感が近いようで遠い楡が次第に気になり始め…?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
扉のこちら側
68
2018年352冊め。前半は雑誌掲載時に読んでいたが、才能あふれる生活破綻者は嫌いじゃない。体温が低く相手を顧みないような楡という人物が、後半で澄を大事にしている様子が読めたのもよかった。ただ博士とAIの描写がどうにも馴染まなかった。一穂作品は再読していくうちにじわじわ好きになるパターンがあるので、いずれまた読む予定。2018/07/20
きょん
27
運命の相手が同性だったらもともとの嗜好と違っていても受け入れられるか?って命題は前提条件(性嗜好はどうなのか)次第だと思いますが、そこに疑問を持たなかった時点で受は受け入れる要素があるって事なんでしょうね。攻めのメンタリティが動機を明かされた後でもちょっと分からない所があるけど、そこを受け入れられるって事は相性が良い二人なんだと思うな。2018/05/18
しましまこ
25
マッチングアプリ運営会社、少女マンガ好きの恋に憧れる営業くん。マッチングされた『運命の相手』はAI開発の男性で…サクっと読了。2018/05/12
文句有蔵
23
「一穂ミチ」という名前は金看板だと思っている。個人的にトップランクに位置させている作家だ。だからこそこんな作品は認められない。二篇入っているが、どちらも腰が抜けるほど酷い。唐突な楡の、澄の家庭に対する執着と幕切れ。涼香による完全経過説明というご都合主義。こんなモノ、愛蔵どころか収蔵すら出来ない。よい本だからと寄贈もできない。 一穂作品として最初に手にしたのが本作なら、私はこの作家に二度と手を出さず、令輝とも栫とも計とも出会えなかった。だから運命というものはきっとある。よかった。最初がコレでなくて。2018/05/11
青龍
21
作者様&粗筋買い。双方の親のことが興味深い。攻めの父、将来こういうことが起こりそうだよ。攻めの母についても、実際、こういう人はいるよな。ただ、受けの妹がどうしてもダメで、イラついてしまった。こういう女、夫がリストラされる可能性(または、心身の問題で仕事を続けられなくなる)とか、考えないんだろうな。金銭面で困ったら、漫画家の母親が援助してくれるのが前提じゃないだろうな?2018/08/25