内容説明
「この門をくぐる者、すべての希望を捨てよ!」21世紀型最新鋭の恐怖政治国家。その統首の誕生パーティが始まり、政治犯が檻から解き放たれた。1時間以内に恐怖城から脱出できたら特赦が下りるのだ。元公安刑事、テロリスト、主婦、ニュースキャスターなど8人の男女が鼠のように追い詰められる、究極バトル・レースの火蓋が切って落とされた。
著者等紹介
山田正紀[ヤマダマサキ]
1950年、名古屋生まれ。明治大学経済学部卒。74年、SFマガジン誌に「神狩り」を発表し作家デビュー、星雲賞を受賞する。SF、冒険小説、ミステリーと幅広く活躍している
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ホレイシア
8
祥伝社のこのシリーズはみんな微妙な出来なのだが、正紀も例外ではなかったかー。長さ制限に問題ありかな。2009/01/19
烏鹿
3
独裁政治下における八人の囚人が収容された所はCATと呼ばれるシステムの試験場だった、というSF。挿絵等は全く無いが、描写がうまいので想像力がかきたてられる。八人それぞれの視点から書かれていて、囚人同士のやり取りにおける心の葛藤とかも楽しめた。元々ページ数に規定があったようで、普通の文庫であればもっと膨らませて書かれていたんだろうなぁと思わざるおけない所が残念。2009/01/29
紫
2
近未来における独裁国家が舞台の、昭和の昔からB級アクション映画やマンガでよく見かけたような設定の中編小説。囚人たちを戦わせるのではなく、監獄から逃亡させる『バトルランナー』タイプであります。詳細な背景の説明などはばっさり排除、シンプルなプロットのデスゲーム物ですが、超能力者は出てくるわ、ロボットは出てくるわで何でもありの超B級路線。短いボリュームの中、8人の囚人それぞれにきっちり役割を与え、描き分けしてみせた手腕はお見事。その一方で「恐怖城」の障害自体は面白味を欠き、単調で薄味な展開には拍子抜け。星4つ。2019/02/19
Berlin1888
2
原稿用紙200枚小説で、当時流行ったデスゲーム小説のSFアクション系。濃い登場人物が次々に登場しては見せ場をもらって死んでいく。依頼をもらったんでオーダー通りに書きました感がすごい一冊。場面場面はすごくいいのに、いろいろもったいない…。2018/05/29
goldius
2
追ってくる殺人ロボットを如何に騙すかが焦点になる認知科学SF2008/12/12