内容説明
二年前、秋せつらの傍らを、偶然、通り過ぎただけの白い貌であった。“区外”のOLが似合う普通の娘―冴葉理江二二歳。“新宿TV”が彼女の殺害を報じるや、せつらは動いた。依頼人のない身辺調査だった。誰を捜し、何を知りたいのか。それは美しき魔人の恋なのか?理江が“区外”の追手を逃れ、“四谷”のバー“れんげ草”に潜伏していたことが判明。さらに、追跡者の意外な正体が明らかになった時、妖糸は切なく一閃した!(「すれ違った天使」より)。哀切と奇蹟の人気シリーズ最新作。
著者等紹介
菊地秀行[キクチヒデユキ]
1949年、千葉県生まれ。青山学院大学卒業後、雑誌記者の傍ら同人誌に作品を発表し、82年『魔界都市“新宿”』でデビュー。85年、『魔界行』(祥伝社刊)三部作が大ヒット、人気作家の座を不動のものとした(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とし
5
マンサーチャー・シリーズ。このまんねり感がほっとする。ただこの巻は不思議と読みにくかった。というか、読むのに時間が掛かった。なぜだろう。2016/11/04
しゃお
3
前作はちょっとぬる目に感じた作品が多かったけれど、今回はどれもクオリティが高い作品ばかり。それに「私」の出番も多くて満足。その中でも亀裂から帰ってくる「迷い子」を扱った『迷い道』が好きです。それとドッペルゲンガーを扱った『とんでもない自分』も。2012/02/29
InfiniteLibri
1
秋せつらを主人公とした、都合5話から成るシリーズの中編集。毎度のことだが、(普通の)人外ばかりの登場人物に関わる物語だが、その内容は実に人間的で叙情的だ。日差しを際立たせるには影を上手く使わないといけないように、人成らざるモノを用いて実に人間臭い話を作り上げている。変り果て異形となっても、その心根は人の侭であるようだ。むしろ見せかけが人である者程、その内側は人外としか思えない。その皮肉が好きだ。かの街の住人は今日も元気そうで何より。2012/06/09
酒井春海
1
久しぶりの風しのぶ。お馴染みの「秋せつら――美しき魔人よ」フレーズ。何が起ころうと何度世界の危機に陥ろうと「魔界都市だから」で片付けられるこの安定感が菊池秀行クオリティw2012/05/22
トオル
1
ほぼ一年ぶりの魔界都市ブルース新刊。主人公の秋せつらを筆頭に、皆さんいつも通りの魔界都市〈新宿〉住人っぷり。前回同様安心して読めた(笑) 短編集だから仕方ないけど、懐かしの風しのぶや人気娘や〈凍らせ屋〉の出番が少ないのが惜しい。次こそは長編で活躍させてほしいなあ〜〜特に人形娘を! しかし、毎回読んでいて新しい発見があったりするんだが、せつら・・・一度にドーナツ6個も平らげるか(笑) なんか、甘党ぶりが加速してやしないか(;´Д`)?2012/02/24