目次
第1章 緑の技法 その多様な展開(都市緑化の成立と展開―近代から現代までの東京を例にして;環境を把握し評価する;自然現象の読解―変化予測と緑の生活 ほか)
第2章 緑の技法 拡がる活動(縁の下の力持ち―土の中の土壌動物たち;緑化樹木の環境適合性と温暖化の影響;小笠原諸島「都立大神山公園」における外来植物除去と植生復元 ほか)
第3章 成長し続ける緑(樹木園と街路樹;芝生と長期保存種子の発芽―日本の芝生文化)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takahiroyama3
1
明治大学緑地工学研究室を35年主宰した輿水先生とその卒業生による一冊。終章に掲載された、30年間、同研究室の新入生により計測され続けた、街路樹見本園での樹木成長の測定結果が圧巻でした。この結果から、街路樹としてプラタナスは、早期の緑陰形成に効果的であることなどが科学的に理解できます。そして卒業生が、都市農業、植物成長、芝生養生など、都市の緑の技法に関わる多分野で活躍していることが分かります。冒頭で著者は、都市緑化分野を「身近なところに生物的自然を回復させようという努力」と表現した点も感銘を受けました。2020/10/12