内容説明
考古学者で弓の収集家としても有名な古館博士のむすめ早苗に三人の求婚者があった!高見沢康雄・神戸大助・伊沢透の三人の青年たちであったが、古館博士の提案は奇抜だった!それは波間に浮かぶハートのクイーンの的をヨットから射て、みごと成功した者が婚約者とされるというものであった!はたして、みごと的を射抜く者はだれか…!?的を射たのは高見沢であった!瓢箪から駒が出たのだった!冗談?が真実となった!?が、競技が終わったあと、三本の矢は何者かに盗み去られていた!そして、それが“死神の矢”に!バスルームの中でシャワーを浴びながら伊沢が、ついで神部が射殺された!?博士の奇行が招いた連続殺人の怪!他に、短編秀作「生ける死仮面」を併収す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しん君
4
弓矢で娘の婿選び。選ばれしは放蕩息子三人。金田一シリーズの愛読者であれば、この時点でピンと来る。そう、チャラ男三人は順に殺される。本作は復讐劇。2024/03/23
ばたこ
4
二篇共になかなか入り組んだお話でした。金田一耕助は相変わらず殺人を防げず後手後手に回ってしまっていましたが、真犯人の愛も技術もすごいし、従犯?共犯?も引けを取らず、これは金田一でも仕方がないかも……?生ける死仮面はさらっと読み終わりましたがなかなか凄惨な事件でした。犯人連中の狂気が怖い。2023/01/31
みーたろう
2
久しぶりに殺人トリックが複雑でおもしろい作品だった(その前の三つ首塔や迷路の花嫁、幽霊男が殺人トリックよりも逃走劇に焦点を当てた作品だったので)。まさかまさかの犯人で驚き。最後は金田一さんと早苗、加納と一緒に涙涙してしまう悲しいお話でした。少しだけオリエント急行殺人事件っぼい。2025/06/09
meg
1
ユリシーズになぞらえた婿選びから始まる連続殺人。殺される方に問題があるとはいえ、犯人と犯人自身もも誰か解らない協力者が事件をより複雑にしていく。発覚した動機があまりに突飛で、それまでそんな雰囲気が全くなかっただけに、唐突な印象。また、真犯人が最後の殺人を成し得るだけの技術を持っている理由が解らないままだった。読み落としたかな…?2013/09/17