内容説明
工学博士・五十嵐東三の大いなる夢は、東京・ニューヨーク間を5時間で飛ぶ超高速機の試作であった。軍の援助で長野県上田市の温泉の裏山にある某貴族の別荘に、五十覧博士を首班とする秘密設計班が立てこもった。老博士の長男新一と助手の南博士の妹京子のふたりが山の見晴らし台で見た怪しい影、煙突の中からはい出した怪人物はスパイか!?推理界の大御所・江戸川乱歩が終戦間近い昭和18年より19年にかけて連載執筆した異色作「偉大なる夢」。戦時下の世相をしのばせるファン必見の傑作編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
もぐもぐチョビたん
4
「偉大なる夢」S18日の出「断崖」S25宝石「凶器」S29サンケイ新聞。字が小さいぞ(=_=)2015/03/20
寛理
3
☆☆☆ 『偉大なる夢』は1943年11月から44年12月まで連載されたスパイもので、ルーズヴェルトの人物描写も面白いし、「陰謀論」的な結末にもびっくりした。当時の「民族」意識がどのようなものだったか、よくわかる。 『断崖』の乱歩は俺の好きな乱歩だ。谷崎的な主題を単純な図式として展開した小説で、谷崎と違ってここには描写がない。だからダメだと言えば言えるけど、それで深さがないわけではない。2019/06/07
YSK
3
偉大なる夢…タイトルにアイロニックな響きを感じたのは戦時中だったから。そう言う事だったのですね。 久しぶりに著書を読んだのだけど、文章がするすると読みやすい。聴いているように読めるのはすごい。 2018/11/15
Y.T
2
☆☆☆2023/10/23
屋根裏部屋のふくろう🦉
2
乱歩の作品の中では少しだけ趣が違っているように思う。どうしてだろうかわからぬが、幼い頃テレビで見た『鉄人28号』や『鉄腕アトム』を思い出した。 それと、乱歩は米国という国の本質を見抜いていたことがわかる。2017/10/06