出版社内容情報
音楽を〈聴く〉時代は終わった? 既成のシステムから脱した新しい音楽のありようを多角的な視点から探る。音楽療法からフリー・ミュージックまで最先端の音楽シーンの話題。
内容説明
音楽療法からフリー・ミュージックまで最先端の音楽シーンに立ち会って考えたこと。
目次
変容するアマチュア
この世で最後に聴く音楽
カウンセリングとしての即興演奏
交流の音楽―インタースペシーズ・ミュージック
ケージの開けた箱
サウンドスケープ・デザインのゆくえ
音環境と無常観
フェミニズムは音楽を救えるか―ポーリン・オリヴェロスのこと
音楽の教育
「楽しい音楽」の問題
「難しい音楽」の問題
即興音楽の快楽
実験音楽のその後
堅苦しさよ、さらば―音楽療法のトレーニング
ドミナント・エンジン最盛期
倚りかからない音楽
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アン・シャーリー
1
著者は大学教授で、音楽療法や音楽教育といった、どちらかというと芸術としての音楽からやや外れたところに関わりつづけている人らしいです。『若尾氏の視点は、「音楽」という公認された行為の手前にあるだろう。「音」を聴くこと、そしてそれを「奏でること」の周辺に向けられ、氏はそうした音楽以前とされている行為と「音楽」とを丁寧に引き比べながら、僕達の手元にいまどういった「音」と「音楽」があるのかについて、考えてゆく。』(大谷能生氏のブックレビューより)音楽療法のところで紹介されているエピソードがすごい。ほんと感動的。2018/01/05
pintarou
0
さまざまな音楽の可能性を平易に解いている。とくに、ロマン派が、親しみやすい部分をポピュラー音楽に、その残りの約束に縛られた現代音楽に分離していいたとする説はおもしろい。全体に、よみやすく、おもしろかった。2010/03/25