出版社内容情報
ヴェーダの祭儀体系が社会生活を支配していた時代,いわゆるカーストが成立,その現状に不満な人々が哲学思想(ウパニシャッド)を展開する。本書はその思想的変遷を考察する。
内容説明
アートマンとブラフマンの一如(=梵我一如)がインド思想の根本である。絶対の一元論を説くインド哲学の醍醐味を示す画期的な大著。
目次
第1章 序―ウパニシャッドの与えた感激
第2章 ウパニシャッドの意義
第3章 ウパニシャッド聖典
第4章 祭祀に接続した思索
第5章 哲学の発端
第6章 究極の原理と見なされたもの―実在の探究
第7章 絶対者をもとめて
第8章 絶対者の観念の変容
第9章 古ウパニシャッド(中期以後)における注目すべき思想
第10章 死後の問題
第11章 倫理と解脱
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鏡裕之
4
一読しただけでは、「ウパニシャッドとはこういうものである」ということはつかめない。それだけ広がりがある。時代的な広がりも、考え方としての広がりも。決して完成品というわけではない。未完成だが、その中で繰り広げられるインドらし問答の形式に、むしろウパニシャッドらしさを感じてしまう。2014/02/27
鏡裕之
3
ウパニシャッドは決して体系的な哲学ではない。整合性のある体系ではない。ばらばらである。しかし、神話的表象を使いながらも、この世界を動かしている統一のものや、どうすればこの世の苦しみから一切抜けだせるのかを思考している。2014/03/10
ラフロ
0
収録ウパニシャッド(抜粋): カウシータキ・ウパニシャッド、タイッティリーヤ・ウパニシャッド 、ケーナ・ウパニシャッド、イーシャーヴァーシャ・ウパニシャッド、カータカ・ウパニシャッド、ムンダカ・ウパニシャッド、プラシナ・ウパニシャッド、シヴェターシヴァタラ・ウパニシャッド2021/06/18