出版社内容情報
現代の若者向けに工夫をこらした画期的な宗教学の入門書。宮崎アニメ『風の谷のナウシカ』に込められた様々な宗教的要素を読み解きつつ，宗教学のエッセンスに触れるよう配慮。
内容説明
戦う少女が主人公の人気アニメに込められた宗教的メッセージとは？楽しみながら学べる新しいタイプの入門書。
目次
第１章 物語
第２章 聖処女・童子王・トリックスター
第３章 美女と野獣
第４章 霊性の図像学―キリスト教世界
第５章 愛と死の色彩学―インド的世界
第６章 樹木の思想
付論 宗教的な智恵とエコロジー（エコロジー思想の歴史；宗教とエコロジー）
著者等紹介
正木晃［マサキアキラ］
１９５３年、神奈川県生まれ。筑波大学大学院博士課程修了。国際日本文化研究センター客員助教授、中京女子大学助教授などを経て、現在、早稲田大学大学院非常勤講師。国立民族学博物館共同研究員。専門は宗教学（チベット・日本密教）、とくに修行における心身変容や図像表現を研究。また、宇宙開発、環境問題、精神医学的な領域などにも強い関心があり、各種の共同研究および実践をおこなう
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネギっ子gen
36
『ナウシカ』再読にあたり、この本の存在を思い出し書棚奥より発掘し、併せて再読。現代の若者向けに工夫をこらした画期的な宗教学の入門書である。『風の谷のナウシカ』に込められた様々な宗教的要素を読み解きつつ、若い読者が宗教学のエッセンスに触れられるように配慮がなされている。が、＜第2章の「美少年愛の世界」や「同性愛と成仏」も、十分以上に衝撃的な事実だが、第５章の「猛悪な女たち＝ダーキニー」や「秘密仏」は、もっと凄まじい＞と。そのうえで、著者は書く。＜しかし、これもまた、仏教なのだ＞と。『理趣経』でも読もうか。⇒2021/07/10
タルシル📖ヨムノスキー
22
いわゆる「ナゾ本」ではなく、アニメや漫画そして小説を教材として、特定の学問を掘り下げていくという発想は、こ難しくてとっつきにくいと思われている専門分野の入口としてはとても良い方法だと思う。とはいえこの本以外には杉浦 功一氏と大庭 弘継氏の共著〝「銀河英雄伝説」に学ぶ経済学〟くらいしか知らないだけれど。本書は風の谷のナウシカを緒にキリスト教やイスラム教、インドや中国そして日本の仏教の考え方をざっくり解説している本。2011年に東日本大震災後のエピソードを追加した増補改訂版が出ているのでそっちも探してみよう。2021/10/22
白義
9
ナウシカの読解ではなくて、ほとんどはナウシカを話の種にした宗教学入門。ナウシカ論的な部分も、漫画番も参照してるのにネタバレ配慮してか本来全くそぐわないイージーなアニミズムと結びつけているのは残念。けどそれぞれのトピック自体はとても分かりやすく解説されてるし、解釈として疑問でも雑学的な部分で知識が得られるのできっかけとしては悪くない。特にチベット密教は専門だけあって詳しいし、熊楠や折口など民俗学にもちょっと入れる。正木晃の本領とはとても言えないが、悪い本ではないと思う2012/10/19
にがつ
4
思っていたほどナウシカでもなかった。一応ナウシカを元に宗教学や民俗学のいろいろを紹介しているような本。読みやすかった。こういうのがあるよ～こういう風にもみられるよ～という感じなので宗教学とかちょっと興味あるけどっていう入門書に良いかも。色彩学とかおもしろかった。2016/02/21
Hiroki Nishiyama
4
よーわからんかった2010/09/04
