内容説明
八十歳になっても老骨に鞭打ち、続けた最後の旅。人としての老いと向き合った苦難の道中を、パーリ語聖典の『大般涅槃経』から丁寧に読み解く。
目次
老い衰えられた釈迦世尊
王舎城の霊鷲山
弟子たちに対する訓誡
涅槃への旅
パータリ村にて
遊女のアームラパーリー
自燈明・法燈明
入滅の決意
象が振り返るように
鍛冶職人チュンダの供養
衰弱の極みにあった世尊
阿難への指示
いま・ここで・わたしが死ぬ
最後の説法
臨終の言葉
世尊の入滅
ご遺体への歌舞音曲の供養
摩訶迦葉の到着
仏舎利の分配とストゥーパの建立
永遠の釈迦世尊がおられる
著者等紹介
ひろさちや[ヒロサチヤ]
1936年、大阪市に生まれる。東京大学文学部印度哲学科卒業。同大学院人文科学研究科印度哲学専攻博士課程修了。気象大学校教授を経て、現在、仏教・インド思想の研究、執筆等に幅広く活躍。一般の人々に仏教を平易な言葉で身近な物として伝えている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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舟江
1
釈迦が神とあの世について、どのように申しているのか確認のために読んだ。結論から言うと、神はいない。あの世は無記。我が国においては、僧は葬儀に関与してはならないと訓誡されているのに行っているし、仏像もかまわずおいてある。まあこの手の本は、数冊読まないと分からない。2016/09/16
ロムリン
1
ひろさちやの本は、初めて手にしたけれども、なかなか鋭い分析が多くて感心させられた。 仏典に創作が多いのは知っていたけれども、大般涅槃経も同じだったとは知らなかった。2012/07/03
ステラ
1
釈尊が亡くなられる前後を題材にしたお経『大般涅槃経』の解説本。ただ現代語訳するだけでは分かりにくいこのお経を、補足したり、脇道に逸れたりしながら、解説してあり、このお経の内容をざっくり知りたい人にはオススメの1冊。詳しく学びたい方には、岩波書店の『ブッダ最後の旅』を合わせて読むと良いそうなので、私も、いずれ読もうと思う。2011/07/11