内容説明
鬼才マーチン・ガードナーがさまざまな俗説や擬似科学の話題をとり上げ、きびしく小気味よい分析を加えた『奇妙な論理』の続編。ガードナーは現在「超常的と称するものを科学的に調査する委員会」の四人の代表委員の一人として活躍しており、空飛ぶ円盤からユリ・ゲラーまでのトピックを解明する本書でも、その鋭い推理力は縦横に発揮されている。
目次
円盤狂時代の開幕―異星人が地球を見張っている
占い棒と占い振子―地下水や石油、病気や性別もピタリ
生命をつくり出す人々―現代のホムンクルス
ルイセンコの勝利と敗北―科学が権力にすり寄るとき
アトランティスとムー―「失われた大陸」の魔力
ピラミッドの神秘―数字が未来を予言する
奇跡の医療機械―えせ医師たちのボロもうけ
めがねを捨てろ!―オルダス・ハックリーもだまされた近眼治療
奇妙な性の理論―男女児の産み分け、若返り、保留性交など
一般意味論と心理ドラマ―精神治療のわき道
骨相学から筆跡学まで―性格判断のいろいろ
訳補 擬似科学の新しい話題から―超能力から超物理学へ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
32
いわゆるUFOの話題に多くのページが割かれている点、原著の1950年代初頭という年代を感じさせる。すでに早い時期から、ガードナーは宇宙人とのつながりを疑問視していることがわかる。最初の目撃者であるアーノルドが、ごく初期のさまざまな情報を発信していたことも詳細に書かれていて、資料として貴重である。さてそうなると、ユリ・ゲラーについての記述があるのは年代的におかしいのだが、この本が実は30年後のガードナーの著作の内容も含めて、訳者により補充された編集本であることが判明。キャッチフレーズは邦訳独自のものだろう。2015/05/06
karatte
17
再読。前作が好評を博したため、未収録部分を新たに翻訳した続編である。空飛ぶ円盤やアトランティス大陸・ムー大陸など時代を感じさせる内容も少なくないが、近眼治療の件は今読んでも全く色褪せていないし、時代や場所の別なくトンデモ理論の湧いて出る余地は常にあるのだと再認識させられる。2017/09/08
kitten
16
なぜか実家にあったので読んでみた。原著は1950年代なので、さすがに時代に合わないところもでてきているが、60年経った今でも十分、通用する話もあり、怖い。今ではさすがに、ダウジングなんかは下火になってきたけど、訳本が出版された90年代だと、テレビでバンバン流れてた印象がある。 この本が50年代に書かれて、いまだに通用するところが多くあるところに、人間の業の深さが読み取れる気がする。当時は、科学技術が今とは比較にならないほど日進月歩だった時代だけに、変なのも多かったんだろうなぁ。 2018/05/24
Francis
6
このⅡ巻では空飛ぶ円盤、ダウジング、アトランティスとムー大陸などを取り扱う。カルト宗教のエホバの証人がピラミッドに基づいて世界終末を予言してはずしまくっているエピソードは本当に笑えない。初版は1952年だけど、未だに内容が古くなっていないのはトンデモが進化しないからか、それとも人類が意外と変わってないからなのか?人類が続く限りトンデモは不滅らしい。2015/02/25
冬至楼均
4
意外にも内容に古さを感じない。と言うことは未だにこの手の疑似科学は健在と言うことか。2010/03/03