内容説明
古代と中世のはざまを風の如く駆けぬけた源義経。彼が生き、戦い、命を燃やした時代は大きな変革の時期にあたる。この中世の“生まれ出づる悩み”の時代、これが義経に与えられた舞台である。この舞台で義経は何を演じ、演じさせられたのか。同じ舞台に頼朝がいる。後白河法皇もいる。そして秀衡・泰衡もいる。大きな歴史のうねりの中で、生を凝縮するかの如く平家とそして自分と戦い続けた“未完の英雄”源義経。彼の短い生涯は、伝説の上で真の英雄となることで完了したのであろうか。本書はその義経の虚像と実像に鋭く迫る。
目次
序 史実の義経・伝説の義経
1 伝説は語る
2 源九郎義経・頼朝・鎌倉
3 判官義経・後白河院・京都
4 義顕・秀衡・平泉
5 再び伝説は語る
義経関係略年表