内容説明
サブプライム・ショックでアメリカ型経済システムへの信頼が失墜するなか、「イスラム金融」の存在感が高まっている。イスラム金融とはイスラム教の戒律シャリーアに従った金融の仕組み。最大の特徴は「利子」がないことにある。いまイスラム金融市場には中東の巨額なオイルマネーが流入、急拡大する市場に参入すべく、非イスラム教国も商品開発・インフラ整備に乗り出した。イスラム金融は世界金融市場を制するのか?日本は乗り遅れていないのか?注目の金融システムのすべてが分かる。
目次
プロローグ 金融市場の新たな勢力
第1章 イスラム金融、これだけ知れば大丈夫
第2章 有力グループ、MEDUSAのパワー
第3章 目が離せない、あの国この国
第4章 インフラ投資にイスラムマネーを!
エピローグ 日本経済とイスラム金融
著者等紹介
門倉貴史[カドクラタカシ]
1971年神奈川県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、(株)浜銀総合研究所に入社。(株)第一生命経済研究所主任エコノミスト等を経て、2005年7月よりBRICs経済研究所代表を務める。08年度同志社大学大学院非常勤講師。専門は、日米経済、アジア経済、BRICs経済、地下経済と多岐にわたる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ビイーン
24
日本に住んでいるとイスラム金融はほとんど縁がなく、本書の内容は新鮮で興味深い。2018/04/14
ゲオルギオ・ハーン
16
2008年5月発行。以前から気になっていたイスラム金融について少し調べてみようと入門編として読みました。筆者の説明が上手く、入門的なところは一章で分かりました。利子をとれないが、代わりに商品を買い、利益をのせて販売することや出資して事業の利益を一定割合受けとることはOKなので銀行というより総合商社のような展開をしていることが興味深かった。これをきっかけに最近の動向もチェックしていきたい。タイムリーなネタが多かったので発行当時に買って読んでいれば、と少し悔しくなりました。2020/10/27
緋莢
10
イスラム教の戒律に従った金融の仕組みである「イスラム金融」。「利子」取引禁止という大きな特徴を持っているイスラム金融は、サブプライムショックで揺らいだアメリカ型経済システムに代わり、存在感が高まっている。日本では馴染みの薄いイスラム金融の入門から、イスラム金融を取り入れる国などを明かす。2015/07/07
wei xian tiang
2
期待して読み始めたがイスラム金融のスキームについての紹介は僅か数ページで、詳しい解説や実例もなく、残る殆どは漫然とした新興国紹介で頁を埋めた駄本。ロシアとトルコの関係を「クリミア戦争以来の対立」と書いたり、パレスチナ問題の注釈に「イスラエルとパレスチナ自治区の争い」と書いたり、明らかにこの主題を扱うのに適任ではない著者である。2014/09/12
ishicoro
2
利子、借金が禁止されているイスラム社会でどうやって金融が回っているのかをサックリ知るには非常によい入門書。まだまだイスラム社会は知らない事がいっぱいありますな。2013/11/30