内容説明
生まれてすぐ親に捨てられた琉央は雑技団に拾われ獣使いとなった。珍獣好きな王妃に招かれ宮中に上がった琉央は、末の皇子が飼っている美しく雄々しい獣の世話を任される。名前のなかった獣に綺羅と名づけ可愛がり、年下の皇子とも少しずつ心を通わせてゆく琉央だが、綺羅がこの国の守護獣であり、その切ない運命と皇子との関係を知ってしまい?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きょん
25
受攻ともに不憫ながら真面目で健気。幼くして過酷な運命を背負わされた攻皇子が、受との出会いによって少しずつ笑顔を取り戻していく所が良かった。包容力溢れる受とワンコでも生意気でもない可愛らしさのある年下攻のカップリングも素敵。また、皇帝陛下と王妃の義務と親としての愛情にもきゅんと来た。2019/05/28
pami
19
面白かった! 最近の月東さんは甘々ほんわかの話が多くて、昔のような刺さる話はもう書かないのだろうかと思っていたのだけど、これは良かった! ページ数も多くて月東さんの本領発揮でした。 珍しい年下攻め。しかも王子。最初は偉ぶった物言いなのに、それがどんどんほぐれて獣が甘えるみたいに受けに懐いていくのがたまらなくかわいかったです。 受けの不幸な生い立ちなのに穏やかで柔らかで、諦めて生きていたのに最後は成長して攻めを引っ張っていくのが良かった。 私の中で月東さんベストに入りそうなくらい気に入りました。2019/05/18
cicoppe
17
電子にて。面白かった。モフモフが誰かという所は想定通りで、心が通じあうまでは王道展開。しかしその後の展開が傑作でした。守護獣の過酷な事情や、親の思い、逃避行。久しぶりに読んだのがコレで良かったと思える本でした。2019/07/08
しましまこ
16
皇子様×流民の獣使い。2人ともなんて不憫で健気!2019/05/25
RIN
12
月東先生らしい王道ファンタジー。産まれた時に「一生を獣と共に過ごすだろう」と予言され捨てられた流民の琉央と、重大な秘密を抱えた聖華国の末の皇子・青麟。不遇や差別にも負けず明るく柔らかな琉央が余りにも尊く、徐々に心をほどいていく年下の青麟がいじらしい。彼らが出会い惹かれ合い、通わせた心を慈しみながら共に困難を越えていく姿は、新年に相応しい煌めきと愛おしさに溢れている。確固たる身分差を覆すまで至らなかったのは心残りだが、それは現実社会で向き合う事にする。残念なのは校正の甘さ。初版本でもこんな仕事は認めない。2022/01/06