内容説明
鋳掛屋の巳之助は恩人の娘である常磐津の菊文字の家を出ると、浪人の死体に出くわす。傍らには莨入れ、持ち主は商家を勘当された若旦那の太吉郎。菊文字と恋仲だった男だ。巳之助は菊文字のために太吉郎を匿い、かつての盟友の浪人と手を組み、殺しの真相を探るのだが…。別れたくなくても、そうせざるを得なかった二人に感涙必至の時代小説。
著者等紹介
小杉健治[コスギケンジ]
1947年、東京都生まれ。83年「原島弁護士の処置」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。88年「絆」で日本推理作家協会賞、90年「土俵を走る殺意」で吉川英治文学新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やま
67
秘かな想いが通じるか…。お節介な盗人神田小僧の鋳掛屋・巳之助の人情物語です。巳之助が、鍋の修理のために寄った常磐津の師匠・菊文字の所で、藤浪道場の道場主・藤浪三四郎殺しの犯人として追われる太吉郎に出くわす。太吉郎を秘かに想う菊文字は、巳之助に太吉郎は、人を殺すような人でないと訴える。その想いにこたへるべく巳之助が動き出す。その頃、松永九郎兵衛は、美濃屋の番頭・弥三郎から行方不明になった美濃屋の一人娘・おまきの捜査を依頼される。この二つ事柄が一本の線で結びつきます。🌿続く→2022/05/19
とし
63
義賊・神田小僧「名もなき剣」4巻。鋳掛屋巳之助と九朗兵衛 のお節介と活躍が表に出すぎて、義賊・神田小僧としての活躍が感じられないです。 2021/10/18
犀門
3
No.118★★★☆☆感涙なし。で、下手人は捕まえたのだっけ?。いかん、読後4日で肝心なところを忘れてるw。2021/10/11
ササ
0
小気味良いどんでん返し。九郎兵衛が極悪になりきれないところが、また面白い。2023/07/22