内容説明
江戸所払いの刑を受けた罪人たちが、江戸の町に潜伏しているらしい。知らせを受けた北町奉行遠山景元、通称金四郎は早速探索を始める。そんな中、大鳥玄蕃という謎の儒学者の存在が浮かび上がった。彼が開く塾に、脛に傷を持つ御家人が多く集まっているという。不穏な空気を感じる金四郎だが、男の企てにすっかり翻弄されて―。シリーズ第三弾。
著者等紹介
小杉健治[コスギケンジ]
1947年、東京都生まれ。「原島弁護士の処置」でオール讀物推理小説新人賞、『絆』で日本推理作家協会賞、『土俵を走る殺意』で吉川英治文学新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いつでも母さん
153
シリーズ3巻目。駒之助を牢や怪しい儒学者の家に潜入させるも遅々として探索は進まず、ドキドキしながら読み進めた。取り込まれそうになっていた町人・初次も悪事に加担せずに無事で良かった。鳥居を襲撃し高野長英を救う為とはいえ、人を操りってのはどうにも好かん。しかし鳥居がこれからどう出るかますます楽しみになった来た。斬り、奔り、咆える・・次は何だろう。 2018/07/05
とし
98
遠山金四郎が咆える。3巻。江戸所払の罪人を密かに匿う儒学者、罪人になりすまし牢屋潜入し探索する金四郎の腹心の部下駒之助が大活躍、牢屋で駒之助を助けた善造とその娘に金四郎の恩情、悪事に荷担せずに済んだ初次良かったですね、それにしても矢部定謙の失脚で片腕をもがれた金四郎、後釜に南町奉行になった鳥居耀蔵、ますます水野忠邦に抵抗出来なくなりますね次巻のタイトルは何に。2018/11/14
Tsuyoshi
57
シリーズ第3弾。江戸払いになった罪人を匿う儒学者がいるらしく、その魂胆を探るべく金四郎の側近である駒之助が入牢し身体を張って潜入捜査に活躍する展開だった。捜査により南町奉行となった水野忠邦の側近である鳥居の改革に沿わない贅沢な暮らしぶりや過去の悪事が明かされていくものの、結果として復讐を未然に防ぎ鳥居を助ける形になった金四郎。何だか腑に落ちない結末だが弱味を握ることはできただけに鳥居はどういう態度に出てくるか?次作も楽しみです。2018/07/17
佳乃
21
遠山金四郎、第三弾!!今回は内与の駒之助がなんと潜伏捜査に。危ないよ、いっちゃダメよ。と思いながらも殿のためと奮闘する姿、とても素敵です。でも、金さんの心中は穏やかではいられない。どうなることやらと、ページを捲る手は止まりません。あっという間の読了でした。今回の事件、結局はお前がすべての根源か!!鳥居よ!!2019/08/02
コブタ
4
今回は駒之助が大活躍。桜の入墨が金さん張りに活躍。本シリーズは金さんを駒之助に代えて活躍させている。次巻が楽しみです。2018/10/16