内容説明
愛国者法の名のもとに行動が制限され、戦時下の様相を呈していくアメリカで、「ニューヨーク地下共和国」と名乗る集団から平和を求める声明が発表された。自由を愛するゼムは、一味ではないかと疑われFBIの厳しい監視下に置かれてしまう…。9・11にNYで遭遇した梁石日が、真の正義と人間の尊厳を描き切った渾身の傑作長編。
著者等紹介
梁石日[ヤンソギル]
1936年大阪府生まれ。『血と骨』(幻冬舎文庫)で第一一回山本周五郎賞受賞。同作品は映画化され絶賛を集める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ikuto Nagura
2
民主主義と資本主義の親和性の低さを、これでもかと見せつける話。このセットこそ人類のスタンダードだと嘯く支配層と、騙され煽られ人間の尊厳さえ踏みにじられる被支配階級。「アメリカは自由と民主主義の名において、愛国心とナショナリズムを煽り、国民を戦争へと駆り立てていった。これは原理的に、民主主義の二律背反だよ。社会主義体制が崩壊したあと残ったのは愛国心とナショナリズムだ。民主主義は愛国心やナショナリズムを擁護するための口実にすぎないってわけだ。民主主義なんか糞喰らえだ!」それでも真の民主主義のための闘いは続く。2014/12/21
i-O
0
いまいち2017/07/17
マリンちゃん
0
ゼムに恋しました。