内容説明
理想的な恋人卓之との結婚が決まり幸福な早映は、彼の叔母優子の結婚パーティでセックスに奔放な麻紗子と出会う。軽蔑しながらも、麻紗子によって早映は自分の「本音」と向き合わされる。一方で結婚式の準備は進むが、卓之と優子には秘密があった。穏やかな未来を信じていたのに、何かが違ってゆく…。本当の幸せを模索する恋愛長篇。
著者等紹介
唯川恵[ユイカワケイ]
1955年金沢市生まれ。金沢女子短期大学を卒業後、銀行勤務を経て、84年「海色の午後」で第三回コバルトノベル大賞を受賞。以後等身大の女性を描いた恋愛小説やエッセイ集を多数発表
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感想・レビュー
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sachi
8
お互い秘密を抱えたままで幸せになれるのかな。事あるごとに思い出され一生苦しむんじゃないかな。けど、知られてしまったら全てが終わってしまう。相手の秘密も知りたくなかった。人間は(私は)狡くて汚い。「本当の快楽とは何かを求めて」とあるけどそれは、心から愛した人とだから得られるものだと思う。私は平凡でいい。それが一番幸せ。2016/07/28
eco
4
久しぶりに恋愛小説など読んでみたいと思い、自分も大人になってきたかなぁということで、青春小説より大人の恋愛を題材にした、唯川さんの小説を久しぶりにチャレンジ。 共感できる要素、理解できない要素、憧れる要素、軽蔑する要素、同情する要素、嫌悪する要素など様々なものがあって、総じて面白かった。2015/07/17
ohmi_jin
2
知らない方が幸せだということがあるのは理解できる。結果的に主人公は禁断の愛を捨ててでも自分を愛してくれる夫を手に入れたわけで、知った上でも幸せになろうとすることはいいこと。2017/09/03
カッキー
2
自分が本当に愛している人を手に入れられない麻紗子と優子、自分のことを心から愛してくれる人を手に入れた早映。前者は自分の人生を懸けて愛し生きているのに対し、早映は他人のものさしで生きているだけで卓之を本当に愛してるようには見えなかった。 この小説の誰もが“愛には少し足りない”と思った。2013/12/23
ゆすら
2
うーん、正直早映には共感できなかったけど、女にはあんな二面性もあるのか。で、早映は婚約者と幸せになれたのか・・・。2012/01/30