内容説明
千代田区溜池にある中央救急病院は、南棟屋上にヘリポートを、北棟屋上倉庫にはドクターヘリを保有。都下のはるか南の小笠原諸島から神奈川県・千葉県・埼玉県の関東一円を管轄し、病床1500を誇る首都圏随一の救急総合病院。そんな病院に、今日も地下鉄の人身事故で瀕死の重傷を負った妙齢の女性が運び込まれた。左脚の裂傷は無残なありさまで、切断された骨の周りの筋肉でかろうじてつながっている状態。駆けつけた患者の父親が涙ながらに訴えるには、彼女はほどなく結婚する予定だという。救急部長の梶山をはじめとする担当チームが高度な縫合手術に挑む―。「ショックではありましょうが、どうか落ち着いてください。そして現代の医学を信じてください」
著者等紹介
石原慎太郎[イシハラシンタロウ]
1932年神戸市生まれ。一橋大学卒業。55年、大学在学中に執筆した「太陽の季節」により第1回文學界新人賞、翌年芥川賞を受賞。『化石の森』(芸術選奨文部大臣賞受賞)、『生還』(平林たい子文学賞受賞)、ミリオンセラーとなった『弟』、2016年のベストセラーランキングで総合第1位に輝いた『天才』など著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いつでも母さん
103
帯が私を誘って・・「あの子はわかっている。あの子には死ぬ権利があるはず」と言ったドクター「人を生かすという事がこんなに残酷なものか」という看護師の言葉は重いが現実だと思う。そして、完治の難しい病を持ちつつ衛星開発の一員として発射を見届けてから自ら死を選んだ男・大石とその父の掛違う思い・・作家・石原慎太郎が脳梗塞で入院した時に救急病院の医師達を目の当たりにしてからの今作品となったとのこと。ああ、そうですか・・としか浮かばない読後感だったが、救急のドクター・看護師・スタッフの過酷さは伝わる。2017/04/03
千穂
33
作者が脳梗塞で入院した病院で目の当たりにした救急医療を描いた作品だそうだが、色々なシーンが雑然としていて〜〜テレビでよくある救急24時的な。救急スタッフが大変な仕事だとはわかるが。2018/05/12
にゃんた
21
なんだろう、何か違う感じ。読みながら感じる世代の差のようなもの。たくさんの救急症例はでてくるが、思い入れのようなものが不足しているような。少なくとも自分の期待する医療小説とはちがっていた。2018/06/06
かおりん
15
読む前に感想を見てしまったのが失敗。あまり期待してなかったのが、さらに期待はずれ。様々な救急患者の症状と処置が次々とかかれているが、それで?医学の専門的ことも、生命の尊厳を書いたにしても人間ドラマとしてもすべて中途半端で残念。あとがきで、脳梗塞をおこし入院中に医師たちの活躍に心を打たれた。この一書が医師たちの苦労の少しでも支えになればとあった。2017/04/08
ジュースの素
9
読メの方々の感想も迷走気味。私も図書館で目を一瞬疑った。え?慎太郎氏がこれを?? 何で唐突に「救急病院」なのだろうと。 中身はやはり軽めでそれほど深刻にならずに読者としては助かったが。 救急に限らず医師の過酷さは大変なものだ。人間いつ何があっても不思議ではない訳で日本の医療に頼るしかないと読みながら考えたのは事実。2017/08/20