内容説明
クビを宣告されたプライドばかり高いエース、過去から逃れられない元プロ野球選手、夢と家族の間で葛藤するキャプテン…。ひとりの監督との出会いが、そんな問題だらけの社会人野球チームに奇跡を起こす。元気と勇気が湧いてくる大人のための、読む栄養ドリンク。
著者等紹介
須賀しのぶ[スガシノブ]
上智大学文学部史学科卒業。1994年「惑星童話」でコバルト・ノベル大賞読者大賞受賞。その後、一般文芸にも活躍の場を広げる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
201
須賀さんのココロ熱き野球モノです。『雲は湧き~』でその卓越した野球描写にすっかり魅了され、本作を手に取りましたが、期待を裏切らない作品でした。池井戸さんの『ルーズヴェルト~』とはまたひと味ちがったアマチュア世界のお話で、田舎のクラブチームの個性的な面々が、悪戦苦闘しながらも勝ち上がっていく、ガチガチの鉄板ストーリーです。しかし、ソコがまたなんともストレートでココロに響き、試合の描写も白熱かつリアリティにあふれています。タイトルが示すように色んな物事に対し、すぐに諦めてはいけないと思わせてくれる作品でした。2016/01/07
utinopoti27
128
本作は、新潟の片田舎のクラブチーム「三香田ビクトリ-ズ」を舞台に、年齢も野球に対する想いも情熱もそれぞれ異なる、訳あり男たちの「青春」小説。まあありがちな設定ではあるけれど、監督以下、とにかく選手のキャラが濃いんです。特に、肩を酷使され、心身ともにボロボロになった元プロ選手の直海が面白い。周囲に心を閉ざす一匹狼は、果たして再生できるのか・・。ひたすら泥臭く、汗臭く、カッコ悪く、それでも愚直に勝利を目指す男たちのドラマに、展開がわかっていても引き込まれてしまうのは、作者の力量のなせる業。男っていいなあ♪2018/08/03
七色一味
76
読破。初読みの作家さん。タイトルに惹かれて借りました。内容的にはもうちょっと違うものを想像していたんですけどね。ただ読後感は、タイトルから想像していた通り爽やか。プロ野球でもなく、独立リーグでもなく、社会人でもない。吹けば飛ぶような地方のクラブチーム(そんなものがあることすら知らなかった)が、華々しい表舞台に出るまでのあれやこれやの物語です。スポーツが好きな方には、結構オススメ。2015/02/28
ナミのママ
66
すっかり魅了されてしまった須賀さんの作品を探していて、こちらを見つけました。社会人野球チーム、それも企業チームではなくクラブチームのお話。まったく知らない世界だったのでそのしくみにもビックリでした。町おこしで新規体制となったチーム、一章ずつ、そこにかかわる人の視点でストーリーは進んでいきます。集まった人には色々な過去と現在があり、それでもチームという集団の中、野球を続けていく姿が良かったです。お涙ちょうだいモノでもなく、スポコンものでもなく。読み終わって「人生ってわからないよね」。2016/08/17
ゆみねこ
65
須賀さん、初読み。夢を諦めた大人が、ふたたび夢をつかみ取るまでの物語。野球が好きな人なら間違いなく楽しめる1冊ですね。2015/09/08