内容説明
義父・藤兵衛から道場を譲り受けた千坂彦四郎。だが、妻の里美、愛娘・花のためにも、立派な道場主たらんとする責任感が、知らぬ間に精神的重圧となって彼にのしかかる。ある日、兄の敵討ちのため、陸奥国松浦藩からやってきた女剣士・小暮ちさと出逢ったことが、彦四郎の人生に影を落とす…。
著者等紹介
鳥羽亮[トバリョウ]
1946年生まれ。埼玉大学教育学部卒業。90年「剣の道殺人事件」で第36回江戸川乱歩賞を受賞。自らの剣道体験をもとにした剣豪シリーズ、時代ミステリーで活躍している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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棚から一つ神
3
単行本12冊読み切りました!機会があれば文庫本の親子草の続きに帰ってきます。2021/07/02
あかんべ
3
たった数日道場で練習した仲、自身の事情も明かそうとしなかった人。ちょっと安易に手助けしたのでは、弟子にケガをさせ、子供を危険に巻き込んだ。道場主として考えなさすぎ。2012/12/08
ソババッケ
3
千坂道場が彦四郎の代となったシリーズ1作目。千坂籐兵衛は隠居し、彦四郎の母・由江といっしよになっている。妻の里美との間の娘・花は7歳になり、竹刀を振り回している。道場の門弟が刀争にかかわったことで、陸奥国松浦藩7万石のお家騒動に巻き込まれてしまう物語。彦四郎もそろそろ30になろうとしているが、まだまだ若き道場主。剣の道にも、女心にもゆらゆらと揺れていくさまがよく描かれている。花の挙動が実にほほえましい。男の子も欲しいところだが。籐兵衛の華村での居候か用心棒のような姿はどうもいただけない。★3.3 2012/12/06
みいちゃん
2
すっかり代替わりした千坂道場の新シリーズ。初回から若き道場主 彦四郎が女剣士に心奪われたり、愛娘 お花の誘拐と内容は盛り沢山なのに何故か物足りなさの残るお話でした。やっぱり藤兵衛の時の方が内容が濃かったかな。まあ次回に期待します。2012/11/22
左近
1
『剣客春秋』が新たな副題と共にスタート。藤兵衛は道場を娘婿に譲り、料理屋〔華村〕に、こちらもまた婿入りのような形で隠居。千坂道場を引き継いだ彦四郎と里美の愛娘、花は七歳となった。鳥羽亮を読んだのは何年ぶりだろう。この人の持ち味であるチャンバラ場面のリアルさに「そうそう」と思い出し、特徴的な文体「~のである。それに~」に記憶が蘇る。本シリーズは間違いなく、池波正太郎『剣客商売』を意識してるんでしょうね。里美はもう女剣士じゃないのか。ちさと彦四郎が絡む関係で?それとも、三冬の二番煎じだと思われないため?2016/04/24