内容説明
名門進学校で一流大学の医学部合格の太鼓判を押されている桂木涼子がある日始めた“悪魔の実験”。それは、人知れず最愛の母親に劇薬タリウムを飲ませることだった…。
著者等紹介
新堂冬樹[シンドウフユキ]
金融会社勤務を経て、現在はコンサルタント業や芸能プロダクション(新堂プロ)を営む。第7回メフィスト賞受賞作『血塗られた神話』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ブルームーン
36
劇薬「タリウム」を実母に少量ずつ飲ませ殺害しようとする女子高生の話。記憶にはなかったけど、実際にあった事件がモチーフ。成績優秀で優等生の女子高生の心の闇。悪意に満ちたブログの内容と、母親への優しい態度の差が激しくて怖い。動機はいろいろと書かれているけど、やっぱり根本的に何かが狂ってるんだと思う。2015/02/10
千穂
35
頭脳明晰な女子高生涼子が最愛の母をタリウムを飲ませて毒殺しようとする。少量ずつじわりじわりと母が弱っていく様子を克明にブログに記録する様は狂気さながら。涼子が幼い頃飼っていた仔犬が病気で苦しんでいたのを獣医さんに母が頼んで安楽死させたことに端を発するのか。読んでいて息苦しさを感じる。2019/05/15
きさらぎ
35
約10年前のこの事件で「タリウム」という劇薬の名前を知った。成績優秀な少女が母親にタリウムを飲ませた事件で、当時は衝撃的だった。愛するがゆえに死を与え、苦しみから解放してあげたいという独特の考え方がうすら寒い。少女らしい潔癖さからくる考えなんだろうか?彼女の頭の中のジャングルが不気味。この少女は発達障害と診断されたようだが、その後改善されたのだろうか?小説としてこの事件を扱ったのなら、その後も書いてほしかった。2015/02/15
あつひめ
30
実際にタリウムを使った事件があったことをこの1冊をきっかけに知った。思春期の揺れる心、でもその心が育つ間に沁みこんでしまった感情が爆発してしまったのか。爆発という表現はまた的確ではないかもしれない。少女があまりにも冷静だから。この1冊は今までには感じ得なかった少女に気持ちを添わすではなく、少女の語る物語の中の物語を視聴するような感じだった。生き物たちの声は全てが少女の声。心の中で思いを語り合う。何を求め何を排除したいのか。何故こんなことが起きたのか…の言葉はこの1冊には似合わないような気がした。2011/08/08
カラシニコフ
14
実際の事件を題材にしてる系新堂。物語としてのクオリティはいつもの新堂。結末に関しては弾けてない系新堂。消化不良感が強かったかなぁ。 ★★☆☆☆2019/05/29