内容説明
お徒士組の市郎助は、新藩主が初めて入国する際の祝能で『道成寺』のシテに選ばれたことから、心ない人々の妬みを買う。そしてそのよこしまな思いが頂点に達したとき、4人の武士が卑劣な企てを図り、市郎助の許嫁を死に追い込む。四人への復讐を誓った市郎助は鬼と化し、6年の月日を経て、壮絶な報復を始めた―。沢田ふじ子入魂の465枚書き下ろし長編小説。
著者等紹介
沢田ふじ子[サワダフジコ]
1946年愛知県生まれ。愛知県立女子大学(現愛知県立大学)卒業。73年作家としてデビュー。『陸奥甲冑記』『寂野』で第3回吉川英治文学新人賞を受賞。著書に『蛍の橋』『木戸のむこうに』「公事宿事件書留帳」シリーズ(いずれも幻冬舎刊)、『いのちの蛍 高瀬川女船歌』(新潮社刊)、『はぐれの刺客』『聖護院の仇討』『霧の罠』(徳間書店刊)他多数
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