内容説明
イナガキタルホ、江戸川乱歩、久坂葉子、西東三鬼、竹中郁、司馬遼太郎、谷崎潤一郎、横溝正史、堀辰雄。藝術家たちが神戸に残した足跡をたどる。街にひそむハイカラモダニズムを追って時の彼方に神戸を彷徨うガイドブック。
目次
夢の街へ、街の夢を訪ねて
１ ハイカラのオリジン（世界一美しい“異国”―元居留地；異人館の街―山手雑居地（北野町・山本通）
ボヘミアンの闊歩―トアロード）
２ モダンの伝播と浸透（繁華街の古層―三宮界隈；鈴蘭燈の輝く下で―元町界隈；船長文化の開花―中山手界隈）
３ 豊穣の後背地（夢のミクロコスモス―阪神間；山の麓―六甲・王子公園）
４ 超俗の別天地（静謐な歴史の街―兵庫；明るい海と山と石と―須磨・明石）
時の彼方から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶうたん
8
在りし日の神戸を幻視する、昨年逝去した著者の2冊目で遺作となってしまったのは残念。神戸は馴染みが無いのでイメージしづらいのだが、読んでいると行きたくなってくるので困る。谷崎潤一郎を始め、文学者のエピソードが縦横無尽に織り込まれているところも、著者の面目躍如だろう。もともと怪奇幻想タッチの短編の書き手だったが、神戸に対する思い入れ溢れた本書も良いものだ。2016/10/28
