内容説明
あたしは、ゴールデンレトリヴァーの女の子。ふかだクッキー。あたしが子犬のときは、もっと白くて、だいすきなお母さんがつくる、おいしいクッキーの色に、そっくりだったの。だから、コースケが、あたしの名をキックーって決めたんだって。
著者等紹介
さとうまきこ[サトウマキコ]
1947年、東京に生まれる。上智大学仏文科中退。1973年、ベトナム戦争の脱走兵と少女の交流を描いた『絵にかくとへんな家』で日本児童文学者協会新人賞を受賞。1982年『ハッピーバースデー』(ともに、あかね書房)で野間児童文芸推奨作品賞を、2005年『4つの初めての物語』(ポプラ社)で日本児童文学者協会賞を受賞
牧野鈴子[マキノスズコ]
1951年熊本市に生まれる。デザイン事務所勤務を経て上京、絵本や童話などの挿画のほか、個展や企画展にむけて制作を続けている。1983年『森のクリスマスツリー』(文研出版)でボローニャ国際児童図書展エルバ賞推奨、1984年『おはいんなさいえりまきに』(金の星社)でサンケイ児童出版文化賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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杏子
7
犬の視点で描かれた作品というので、変わってみえた。語り口が気になる向きもあるだろうが、ものを言えない動物の立場から、不安な気持ちや飛び上がるほど嬉しい気持ちがよく伝わってきて好感をもてた。とくに大好きなコースケに冷たくされて、だんだん具合が悪くなっていってしまったところなど、弱い立場のものにとってはどんなにか…と胸が痛くなった。最後はよかったと思う。西日本読書感想画指定図書。中学年向け。2012/07/24
遠い日
6
5歳のゴールデン・レトリーバー、クッキーの目線で描かれるコースケ一家の波乱。クッキーの気持ちの揺れが切ない。 やさしいことばで語られるけれど、一家の苦しみと変化にクッキーも絡めとられて、さまざまな思いをする。 こころをひとつに。そして、希望へと向かうストーリーは、ちいさなお話ながら、感動を呼びます。 2012/05/23
NakaTaka
4
ゴールデンレトリバーのクッキーの一人称で語られる物語。飼い主の子どもであるコースケは小4。事故で車椅子生活になってしまい、そのイライラと環境の変化がクッキーにも影響を与えて・・会話文が多く、この文体に慣れるのにちょっと時間がかかった。でも、お話そのものは犬好きにはたまらないよい話。犬と暮らすっていいでしょうね。2018/04/17
うさつき
3
事故で歩けなくなった少年コースケと、彼のことをだーい好きなゴールデンレトリバーのクッキーのお話。コースケが、大好きなクッキーは、ある日突然、車イスで帰宅したコースケが、別人のようになってしまい、戸惑います。お母さんも、お父さんも、コースケも、誰もクッキーのことを今まで通りにあつかってくれなくなり、不安になったクッキーは、病気になります。クッキーの病気で、コースケが立ち直って行く過程は、涙なしでは読めません。二人が一緒に走る事の出来る日を夢見て!2012/06/02
さくらもち
3
第56回西日本読書感想画コンクール課題/中学年の部。意外に(というと失礼ですが)心震わせられてしまいました。2012/05/11